訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

奥彩子・鵜戸聡・中村隆之・福嶋伸洋編『世界の文学、文学の世界』松籟社

編者の奥彩子さんより共編書をご恵投たまわりました。どうもありがとうございます。

以下が目次になっています。

 【イタリア】 ヴァスコ・プラトリーニ『ヴァンダ』【イタリア】 [訳]小久保真理江
【シリア】 ザカリーヤー・ターミル『十日目の虎たち』 [訳]柳谷あゆみ
【イラン】 パルヴィーン・エテサーミー『孤児の涙/二滴の血』 [訳]中村菜穂
イスラエル】エトガル・ケレット『たったの一九・九九シェケル(税、送料込)で』 [訳]細田和江
【ブラジル】 クラリッセ・リスペクトル『カーニヴァルの残りもの』 [訳]福嶋伸洋
ソ連アンドレイ・プラトーノフ『名前のない花 昔話』 [訳]古川哲
【日本】 尾崎翠『アップルパイの午後』 [解説]由尾瞳
【ハイチ】 ジャック・ルーマン上着』 [訳]中村隆之
ケニア】 ジョモ・ケニヤッタ『密林の紳士たち』 [訳]浦野郁
【チリ】 アントニオ・スカルメタ『サン・クリストバルの自転車乗り』 [訳]山辺
デンマーク】 民謡/バッゲセン/エーレンスレーヤ/インゲマン「アウネーテと人魚」他四編 [訳]中丸禎子
アルバニア】 エルネスト・コリチ『庭』 [訳]小林久子
バスク】 イバン・サルドゥア『ある本の来歴』 [訳]金子奈美
【エジプト】 アル=マーズィニー『ひとりで学べるアラビア語』 [訳]鵜戸聡
【フランス】 ジュール・ヴェルヌ『ジル・ブラルタル』 [訳]三枝大修
ユーゴスラヴィア】 ドゥブラヴカ・ウグレシッチ『クロイツェル・ソナタ(新作)』 [訳]奥彩子
【タイ】 ノック・パックサナーウィン『トーン』 [訳]福冨渉

 より「マイナー」な地域・言語の文学の紹介に力をいれたアンソロジーになっているようです。

 

www.shoraisha.com

 

 

 

奥さん、どうもありがとうございました。

日本通訳翻訳学会関東支部第53回例会報告

学会誌『通訳翻訳研究』19号(2019年)に、

「日本通訳翻訳学会関東支部第53回例会報告」を書きました。

 

「日本通訳翻訳学会関東支部第53回例会報告」『通訳翻訳研究』19号、2019年、177-179頁。

 

以下の例会の報告になります。

 

yakusunohawatashi.hatenablog.com

二年後にはオンラインで公開されます。

 

大宮勘一郎、橘宏亮、西尾宇広、R・クリューガー、G・ノイマン、W・ハーマッハー、H・ベーメ『ハインリッヒ・フォン・クライスト──「政治的なるもの」をめぐる文学』インスクリプト

 『ハインリッヒ・フォン・クライスト──「政治的なるもの」をめぐる文学』(インスクリプト)を西尾宇広先生からご恵投いただきました。どうもありがとうございます。

 

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かっこいい帯文。

 

www.inscript.co.jp

 

目次

まえがき

クライスト略伝

わたしの言う自由とは─クライスト「ヘルマンの戦い」と「聖ドミンゴの婚約」における夷狄支配
ルート・クリューガー╱西尾宇広訳

「ペンテジレーア」─「政治的なるもの」と「愛」
大宮勘一郎

流動化する国家─クライストの政治的著作における共同体の問題について
橘宏亮

機械仕掛けの国父─クライストにおける〈君主〉の形象
西尾宇広

口ごもる言葉と躓く身体─クライストの文化的人間学概要
ゲルハルト・ノイマン大宮勘一郎

描出の揺らぎ─クライストの「チリの地震
ヴェルナー・ハーマッハー╱大宮勘一郎、橘宏亮、西尾宇広訳

「事態のこの恐ろしい変転」─クライスト作品における事物の作用力
ハルトムート・ベーメ╱橘宏亮訳

クライスト主要作品梗概

あとがき

 

内容は国内外のクライストについての論考をあつめたものになっております。

西尾先生、どうもありがとうございました。

 

 

アンソロジーのなかのナボコフ⑯Jill Krementz, The Writer's Image (1980)..

今回紹介するのは写真集です。ナボコフを写した写真集には単独で写したものもありますが、ほかの作家の写真といっしょにアンソロジーのようになっているものもあります。

 

Jill Krementz, The Writer's Image, David R Godine Pub. 1980.

 

アメリカのナボコフ』でも触れた、当時ヴォネガットの妻だったジル・クレメンツによる作家の写真集です。

序文のヴォネガットの言によれば。クレメンツがそれまでの「作家然」とした作家の写真のありかたを変えたということです。

 

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 当然ながら夫の写真もあり。

 

クレメンツはヴォネガットとは離婚してしまいます。ヴォネガットの伝記を読むと、妻の方もかなり癖の強い性格だったようで、ヴォネガットに同情してしまいます(ただ、これはヴォネガットの方から見ているせいかもしれないですが)。

 

 

 

クレメンツは第二弾として「作家の机」の写真集も出しています。

 

Jill Krementz The Writer's Desk  Random House1996

 

 

 

モーシン・ハミッド『西への出口』藤井光訳、新潮クレストブックス

モーシン・ハミッド『西への出口』(藤井光訳)の書評を書かせていただきました。『日経新聞』2月15日号です。以下からも会員登録で無料で読むことができます。

 

www.nikkei.com

 

アンソロジーのなかのナボコフ⑮Writers at Work: The Paris Review Interviews Fourth Series, New York: Viking Press,1976.

久しぶりになってしまったシリーズですが、今回はこちら。

George Plimpton ed., Writers at Work: The Paris Review Interviews Fourth Series, New York: Viking Press,1976.

 

『パリ・レヴュー』誌の作家インタヴューは内容が充実していることで有名です。

そして『パリ・レヴュー』誌自体、何度かインタヴュー集を出版しています。

その第四シリーズです。

 

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収録作家はこちら。

 

Introduction by Wilfrid Sheed

Isak Dinesen

Conrad Aiken

Robert Graves

John Dos Passos

Vladimir Nabokov

Jorge Luis Borges

George Seferis

John Steinbeck

Christopher Isherwood

W.H. Auden

Eudora Welty

John Berryman

Anthony Burgess

Jack Kerouac

Anne Sexton

John Updike

  

 このときのインタヴューはハーバート・ゴールドが、1966年9月にモントルーでおこないました。発表されたのは1967年10月号の『パリス・レヴュー』です。

 

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写真はJill Krementz。

 

ちなみに、『パリ・レヴュー』のインタビュー集は何度か邦訳されていますが、

ナボコフのインタビューはいずれにもはいっておりません。

 

 

 

Justin Jamail, Exchangeable Bonds, Hanging Loose Press. 2018

 ジャスティン・ジャメールさんから詩集をいただきました。

  

 Justin Jamail, Exchangeable Bonds, Hanging Loose Press. 2018

 

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ジャスティン、どうもありがとうございました!

ひとつ詩を紹介してみました。

ふたつの出会い

 

シープ・メドウ

 

ぼくがはじめて

セントラル・パークを

深夜に歩いていると、

望遠鏡をもった男に

出会った。

 

男はぼくを

人ごみに招き入れた。

ぼくは列に並んで土星を見た――

象牙クライスラー・ビルみたいだった。

 

 --From "Two Encounters"

 

Poetry. "You can sense the benign influence of such major New York School figures as Kenneth Koch and Paul Violi in Jamail's exclamatory poems...This book is worthy of its legacy."--David Lehman

 

This is Justin Jamail's first collection. A native Texan and a former resident of Japan, he now lives in New Jersey with his wife, the writer Amber Reed and their two children. Justin is the Deputy General Counsel of the Metropolitan Opera.