訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

ナボコフ

アンソロジーのなかのナボコフ⑥The Single Voice: An Anthology of Contemporary Fiction, New York: Collier Books,1969.

今回紹介するアンソロジーは Jerome Charyn ed., The Single Voice: An Anthology of Contemporary Fiction, New York: Collier Books,1969. になります。 前回までとちがって、『ロリータ』刊行後のアンソロジーですね。 『ロリータ』刊行後はもちろんいろ…

アンソロジーのなかのナボコフ⑤Spearhead: 10 Years' Experimental Writing in America, New York: New Directions,1947.

今回はナボコフが収録されそうでされなかった幻のアンソロジーを紹介します。 Spearhead: 10 Years' Experimental Writing in America, New York: New Directions,1947. この本は新興出版社ニューディレクションズの創業十周年を祝って企画されたものでした…

アンソロジーのなかのナボコフ④The Best American Short Stories 1946, Boston: Houghton Mifflin,1946.

前回紹介したThe Best American Short Storiesは毎年ごとに刊行されるアンソロジーでした。ナボコフは1946年、二度目の収録をされました。 Martha Foley, ed. The Best American Short Stories 1946, Boston: Houghton Mifflin,1946. やはりまえがきから引用…

アンソロジーのなかのナボコフ③The Best American Short Stories 1944, Boston: Houghton Mifflin,1944.

時間が空いてしまいましたが、「アンソロジーのなかのナボコフ」 の三回目です。 今回からは英語アンソロジーを紹介します。アメリカに移住してきたナボコフを収録した最初期のアンソロジーです。 Martha Foley, ed. The Best American Short Stories 1944, …

アンソロジーのなかのナボコフ②Радуга: русские поэты для детей, Берлин: Слово, 1922.

二冊目はやはり1922年にベルリンで刊行されたРадуга: русские поэты для детей(『虹――こどものためのロシア詩人』)です。 Детская библиотека "Слова"(スローヴォ社こども叢書)という文字が見えます。 編者はナボコフの友人でもあったサーシャ・チョルヌ…

アンソロジーのなかのナボコフ⓪

次回から新シリーズ「アンソロジーのなかのナボコフ」を開始します。 文字通り、どんなアンソロジーのなかにナボコフが収録されてきたのかを見ていくものです。 基本はナボコフ存命中のものを中心に、と思っていますが、 おもしろいものがあれば縛られずに取…

ナボコフのアーカイヴを訪ねて⑰ ハーヴァード大学ホートン図書館

長らくハーヴァードのアーカイヴを観てきましたが、最後はやっぱりハーヴァード大学のホートン図書館です。 ハーヴァードの図書館については以前ケンブリッジ・ボストンの「ナボコフ・ツアー」をしたときに書きました。 yakusunohawatashi.hatenablog.com 70…

日本人はナボコフをどう読んできたか

7月7日(土)15時より、勤務校で「日本人はナボコフをどう読んできたか」と題する講演をおこないます(無料、予約不要)。 『アメリカのナボコフ――塗りかえられた自画像』の第四章には収録できなかった資料や翻訳をふくむ内容をお話しする予定です。 詳しく…

ナボコフのアーカイヴを訪ねて⑯ ハーヴァード大学ラモント図書館ウッドベリー・ポエトリー・ルーム

ハーヴァードヤード東にあるラモント図書館は主に学部生が使用する図書館で、季節によっては24時間空いていて、一階にはカフェも常設されています。 その四階にあるウッドベリー・ポエトリー・ルームには、詩集を中心に資料が置かれていますが、いくつか貴重…

ナボコフのあやまち

『新潮』7月号に寄稿しました。 「ナボコフの「あやまち」」『新潮』2018年7月号、194―195頁。 一般に愛妻家として知られナボコフが、 1937年のパリで嵌まり込んだ生涯ただ一度の「あやまち」、 イリーナ・グアダニーニとの不倫と、その後の顛末について書い…

『アメリカのナボコフ――塗りかえられた自画像』内容紹介

先日刊行された『アメリカのナボコフ――塗りかえられた自画像』ですが、 多少内容を紹介させてもらおうと思います。 これが、『ロリータ』の内幕だ―― 新大陸に移住後、『ロリータ』によってスキャンダラスな形で知られたナボコフは、いかにアメリカの大作家へ…

『アメリカのナボコフ――塗りかえられた自画像』(慶應義塾大学出版会)

拙著『アメリカのナボコフ――塗りかえられた自画像』が刊行されました。 前著『訳すのは「私」』が出てから7年以上もかかってしまいました。 しかし、その分そのあいだの研究の変化を可能なかぎりおさめることができました。 yakusunohawatashi.hatenablog.com…

「作家の写真を読む― 『ロリータ』の著者ナボコフは、いかに世界的作家になったか」

お招きいただきまして、東京外国語大学でお話しさせていただくことになりました(ありがとうございます)。 東京外国語大学 研究講義棟104教室 2018年5月15日(火)16:00-17:30 1958年、中年男がローティーンの少女に惹かれるというセンセーショナルな内容の…

『アメリカのナボコフ――描きかえられた自画像』(慶應義塾大学出版会)詳細目次公開

慶応義塾大学出版会から刊行予定の『アメリカのナボコフ――描きかえられた自画像』の校正が終わり、発売日も5月18日に決まりましたので(amazonだと19日)、節までふくめた詳細な目次をあげておきます。 序 章 ナボコフと読者たち 1 ナボコフ、アメリカ…

ナボコフのアーカイヴを訪ねて⑮ ハーヴァード大学比較動物学エルンスト・マイヤー図書館

ハーヴァードにはナボコフが一時的に非常勤研究員のようなかたちで勤務した比較動物学博物館があることはかつてこのブログでもとりあげました。 yakusunohawatashi.hatenablog.com 博物館自体もナボコフが採集した鱗翅類の標本などを所有していますが、今回…

ナボコフのアーカイヴを訪ねて⑭ ハーヴァード大学大学稀覯館・特別コレクション

アーカイヴ紀行の14回目です。 いよいよハーヴァード大学のアーカイヴを紹介するのですが、ナボコフ関係に絞ってもいくつかロケーションがあるため、数回にわけて記事化したいと思います。 まず今回はハーヴァード大学の地下にある大学稀覯館University arch…

Nabokov@New York City18, 250 W 104 St, app. 43, August 1954

1954年8月、ニューメキシコに旅行に来ていたナボコフ、ヴェラ、ドミトリイですが、借りていたロッジの貯水槽で動物が死んでおり、ヴェラが感染症になってしまいます。 On Tuesday, August 10, she [Vera] was driven to a doctor in Alburquerque. His diagn…

2018年度 日本ナボコフ協会大会のおしらせ

2018年度の日本ナボコフ協会の大会が以下の要領でおこなわれます。ふるってご参加ください。今回はパネルと、海外の研究者をまねいての講演一本です。 2018年度の大会は5月12日(土)、東京大学本郷キャンパスにて行われます。 ふるってご参加ください。(一…

Nabokov@New York City17 38 West 89th Street, September 5- 1943

1943年、ナボコフ一家は夏を一家でニューディレクションズ社の社主ジェイムズ・ロフリンの経営するユタ州のアルタ・ロッジで過ごしました。新学期のためケンブリッジに帰る途中、列車での旅だったようですが、どうもニューヨークに立ち寄ったようです。 アメ…

Nabokov@New York City16, Master Institute Theater, December 8 1951

ナボコフは1951年12月8日にもニューヨークでロシア語朗読会をおこなっています。 Early in December they jouneyed to New York, where on December 8 the Russian emigre community staged a Nabokov reading at the Master Institute Theater. Nabokov spe…

ナボコフ・コレクションの刊行時期について

かねてより告知していた新潮社ナボコフ・コレクションですが、 版元の都合により、刊行時期が変更になりました。 www.shinchosha.co.jp 4月刊行の予定だった第三巻ですが、12月刊行になりました。 (ちなみに私はすでに『密偵』の訳文と訳者解説を新潮社に送…

Nabokov@New York City15, Academy Hall, 314 West 91 Street, May 7 1949

1949年5月、ナボコフはすでにケンブリッジからイサカに引っ越していましたが、ニューヨークでロシア語朗読会をおこないました。 当時の招待状は以下のようなものだったといいます。 相互扶助「希望」協会 ご招待 V・V・シーリンによる朗読会 「「詩と解説…

Nabokov@New York City14 Artist Club, 121 West 54 Street, November 10 1940

ナボコフのアメリカ到着直後の1940年におこなわれた二回目のニューヨーク朗読会は11月10日におこなわれました。また、現地紙『新しいロシアのことば』は予告を載せました。 121ウェスト54番街のアーティスト・クラブにて、明日の夜八時より、V・V・シーリ…

Nabokov@New York City13 Hamilton Grange branch of the New York Public Library, October 12 1940

前々回、朗読会の場所について紹介したので、いくつかニューヨークでおこなわれたほかの朗読会の場所を紹介しましょう。 はじめに、記録にあるアメリカ最初の朗読会の話です。 1940年5月にニューヨークに到着したナボコフは、その年にいくつかニューヨークで…

Nabokov@New York City12 Rockfeller Centor studios, 26 November 1958

1958年10月につづいて、ナボコフ夫妻は11月にもニューヨークをたずねます。今回のニューヨーク滞在は、初のTV出演であるCBCのインタヴューの収録がロックフェラーセンターであったのです。 She felt differently about his first televison appearance, a …

Nabokov@New York City11 Waldorf Astoria New York, October 1958

久しぶりにNabokov@New York Cityの更新です。 1958年8月、アメリカ版『ロリータ』が パットナム社より刊行されると、ナボコフの周囲はにわかにあわただしくなっていきます。 10月、ナボコフ夫妻は2週間ほどニューヨーク・シティを訪れることになりました。…

ナボコフのアーカイヴを訪ねて⑪ ウェルズリー大学クラップ記念図書館

アーカイヴ紀行も11回目になりました。 今回はウェルズリー大学です。 ウェルズリー大学一般についての情報はこちらもご覧ください。 yakusunohawatashi.hatenablog.com ボストン郊外のウェルズリーに位置する名門女子大であるウェルズリー大学は、ナボコフ…

ウラジーミル・ナボコフ「密偵」(冒頭部)『新潮』2018年1月号、188-191頁。

発売中の『新潮』2018年1月号に ナボコフの「密偵」の冒頭部を訳しました。 「密偵」は以前は『目』として白水社から小笠原豊樹訳で刊行されていた作品です。 今回、『新潮』では特集を組んでいますが、 先月の『すばる』の「ヴェラの手紙」とは違って、 す…

ナボコフのアーカイヴを訪ねて⑨ テキサス大学オースティン校ハリーランサムセンター

アーカイヴ紀行の9回目です。 今回は東海岸から大きく飛びまして、テキサス大学オースティンのハリーランサムセンターをご紹介します。 オースティンはテキサスの州都、テキサス大学オースティン校は名門として知られます。 おなじみの州議事堂。 広いキャン…

ナボコフのアーカイヴを訪ねて⑧ アメリカ自然史博物館

ナボコフ関連の資料が所蔵されているのは、図書館ばかりとは限りません。 ひとつが、博物館です。 ニューヨークのアメリカ自然史博物館は、ナボコフが調査研究をおこなっていたこともあり、研究員とナボコフとの書簡がのこされています。 yakusunohawatashi.…