訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

自己翻訳

ジョイスが訳すジョイス

花粉がひどいですね。いつも鼻炎気味なのでよけい……。『訳すのは「私」』ではとりあげなかったのですが、自己翻訳をした作家の中でももっとも大物のひとりがジェイムズ・ジョイスです。彼は自分の実験作『フィネガンズ・ウェイク』の一部、「アナ・リヴィア…

エクソフォニーとオムニフォン

このブログではネタを備忘録的に放り出しておくだけで、特に掘り下げることはしないんですよ(言い訳)。今日読んだ管啓次觔の『本は読めないものだから心配するな』(左右社、91頁)によれば、 「エクソフォニー」とは外の言語で書くという実践、「オムニフ…

多和田葉子の場合(1)

もう三月になってしまいました。二月は短い……。前々回のエントリでは共訳者について触れましたが、 作者=訳者が自己翻訳研究の一番のソースであることはまちがいありません。 自己翻訳研究はどうしても作者=訳者という存在に束縛される面があります (この…

レヴィンの翻訳論

The Subversive Scribe: Translating Latin American Fiction (Dalkey Archive Scholarly)作者: Suzanne Jill Levine出版社/メーカー: Dalkey Archive Pr発売日: 2009/10/06メディア: ペーパーバック クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る「作者…

サミュエル・ベケットの自己翻訳研究

日本語で読める自己翻訳研究を(『訳すのは「私」』でとりあげたもの以外で)いくつか紹介しておきます(自分のメモ替わりもかねて)。 英語・フランス語というメジャー言語ふたつで執筆したこともあり、やはりベケット関連の論文・文章が多いです。 たとえ…