訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

ポスト・ソヴィエト文学研究会(編)『現代ロシア文学入門』東洋書店新社

以下の本に寄稿しました。 ポスト・ソヴィエト文学研究会(編)『現代ロシア文学入門』東洋書店新社 といっても私はほんの半頁「亡命」の項目を執筆したにすぎませんが。 とはいえ、内容は非常に充実しており、 特に前半の同時代ロシア文学のアンソロジー(…

Yumiko Saito, Die Sprachbewegung in Übersetzungen am Beispiel von Yoko Tawadas Texten, Tübingen: Stauffenburg Verlag. 2022.

斎藤由美子さんがご著書をご恵投くださいました。誠にありがとうございます。 Yumiko Saito, Die Sprachbewegung in Übersetzungen am Beispiel von Yoko Tawadas Texten, Tübingen: Stauffenburg Verlag. 2022. 2017年にベルリン工科大学に提出された博士論…

知のインフラを整備する―人文書・学術書の翻訳とその実際

「知のインフラを整備する―人文書・学術書の翻訳とその実際」 研究成果を国際的(ここでの「国際的」は英語とほぼ同義ですが)に発信することが求められる時代,人文書や学術書の邦訳はどのような意味があるのでしょうか?専門家が原語で読んでいればいいの…

ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダルーー差異の倫理にむけて』書評

共訳書『翻訳のスキャンダル』に寄せられた書評をまとめています。みなさま、どうもありがとうございました。 今井亮一氏『週刊 読書人』8月12日号 こうした議論を呼びうるのは、本書が「翻訳のスキャンダル」を暴き立てている証であり、だからこそ翻訳研究…

世界文学全集の「3000万読者」は誰だったのか

『中央公論』に寄稿した記事の前半部分がウェブ公開されました。 後半ではもう少し社会的な背景など掘り下げています。気になる方は本誌で後半もお読みください。 chuokoron.jp news.yahoo.co.jp

「「世界文学全集」消滅の訳――「3000万読者」は誰だったのか」『中央公論』2022年8月号

現在発売中の『中央公論』2022年8月号に「「世界文学全集」消滅の訳――「3000万読者」は誰だったのか」という記事を書かせていただきました(168-173頁)。 拙著『「世界文学」はつくられる』の第一部の内容に手を加えて、 「世界文学全集」がなぜ栄え、なぜ…

ガブリエル・ガルシア=マルケス『ガルシア=マルケス中短篇傑作選』野谷文昭編訳、河出文庫

野谷先生より、御訳書をいただきました。どうもありがとうございます。 ガブリエル・ガルシア=マルケス『ガルシア=マルケス中短篇傑作選』野谷文昭編訳、河出文庫 こちら、「傑作選」とわざわざ銘打ってあるだけあって、どれも傑作です。 「大佐に手紙は来…

ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダルー-差異の倫理にむけて』(フィルムアート社)ためし読み公開

先般刊行された共訳書ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダルー-差異の倫理にむけて』(フィルムアート社)のイントロダクションの全文がためし読みできるようになりました。 以下のサイトよりご覧ください。 www.kaminotane.com 翻訳のスキャンダル …

ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダルー-差異の倫理にむけて』(フィルムアート社)

共訳書、ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダルー-差異の倫理にむけて』(フィルムアート社)が刊行になりました。 翻訳研究の第一人者(のひとり)ローレンス・ヴェヌティの初の訳書になります。 翻訳研究だけでなく、世界文学論として読んでも価値…

山根由美恵『村上春樹 〈物語〉の行方—サバルタン・イグザイル・トラウマ』ひつじ書房

山根先生が、ご著書を恵投くださいました。どうもありがとうございます。 山根由美恵『村上春樹 〈物語〉の行方—サバルタン・イグザイル・トラウマ』ひつじ書房 村上春樹についての論文数世界一の記録をもたれる山根先生の二冊目のモノグラフです。 ご恵投、…

ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダルー-差異の倫理にむけて』(フィルムアート社)正誤表

第五章 188頁 つまりは、大学の政治的・制度的問題なのだ――伝統にのっとった教育がおしなべてそうであるように、いや、おそらくは教育というものがすべてそうであるように、徹底的な翻訳可能性、言語の消滅を理想としてかかげている。 → 大学の政治的、制度…

目次、書影公開:ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダルーー差異の倫理にむけて』秋草俊一郎・柳田麻里訳、フィルムアート社

2022年5月26日刊行予定の共訳書、ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダルーー差異の倫理にむけて』(秋草俊一郎・柳田麻里訳、フィルムアート社)の目次・書影が公開されましたので、お知らせします。 翻訳がなぜスキャンダラスなのか──それは世界の文…

中村唯史・坂庭淳史・小椋彩編著『ロシア文学からの旅――交錯する人と言葉』ミネルヴァ書房

中村唯史・坂庭淳史・小椋彩編著『ロシア文学からの旅――交錯する人と言葉』ミネルヴァ書房 ミネルヴァ書房の各国別文学入門のシリーズです。 https://www.minervashobo.co.jp/book/b603558.html 私は「ロシア文学とアメリカ文学」の項目を担当しました(pp.2…

「書評 佐藤=ロスベアグ・ナナ編『翻訳と文学』」『れにくさ』第12号、2022年

書評を寄稿しました。 「書評 佐藤=ロスベアグ・ナナ編『翻訳と文学』」『れにくさ』第12号、2022年、264-267頁。 そこにも書きましたが、「翻訳研究の学術書」としては相当にふわっとした内容だと思います。いったいなんのためにこういった本はつくられて…

邵丹『翻訳を産む文学、文学を産む翻訳: 藤本和子、村上春樹、SF小説家と複数の訳者たち』松柏社

邵丹さんより、ご著書をご恵投賜りました。 どうもありがとうございます。そして、おめでとうございます。

京都文学レジデンシー編『TRIVIUM』

吉田恭子先生より京都文学レジデンシー編『TRIVIUM』をご恵投賜りました。 どうもありがとうございます。 こうした試みが、日本各地でできるといいのかなと思います。テジュ・コール「アルボース」(小磯洋光訳)のマサチューセッツ州ケンブリッジの街路樹が…

中川成美・西成彦編『旅する日本語――方法としての外地巡礼』松籟社

編著をご恵投賜りました。どうもありがとうございます。 中川成美・西成彦編『旅する日本語――方法としての外地巡礼』松籟社 まだ対談「「旅する日本語」の射程と可能性」を読んだだけですが、 大変勉強になります。 目次を拝見するだけで台湾や韓国など、多…

津野海太郎著・宮田文久編『編集の提案』黒鳥社

宮田文久さんより、ご編著を恵投賜りました。ありがとうございます。 『本とコンピュータ』などで伝説的な編集者、津野海太郎の過去の文章を発掘し、 独自の観点で編集したものになっております。 津野海太郎著・宮田文久編『編集の提案』黒鳥社 社会のなか…

フランツ・カフカ『変身』川島隆訳、角川文庫

フランツ・カフカ『変身』川島隆訳、角川文庫 川島隆さんよりご訳書をご恵投賜りました。どうもありがとうございます。 カフカ研究の日本における現在の第一人者の翻訳ということで、 今後決定版として読まれていくのではないでしょうか。 変身 (角川文庫)…

中村三春『接続する文芸学 村上春樹・小川洋子・宮崎駿』七月社

中村三春先生よりご恵投賜りました。どうもありがとうございます。 中村三春『接続する文芸学 村上春樹・小川洋子・宮崎駿』七月社 (第Ⅱ部第5章で拙論[ナボコフの『ディフェンス』論]に触れてくださっております。恐縮です。) はしがき 序説 接続する文…

小森謙一郎・戸塚学・北村紗衣編『人文学のレッスン 文学・芸術・歴史』水声社

戸塚学さん、福田美雪さんよりご恵投賜りました。どうもありがとうございます。 近頃叩かれがちな「人文学」ですが、 専門家によるリレー講義を受けている感覚で楽しめそうです。 はじめに 第一部 ことばを読む 1 言葉の形を読む――横光利一『蠅』の形式と文…

『アバイ』(イブラギム クナンバエフ詩集 叙事詩 訓戒の書)花伝社、2020年。

クルマンセイト・バトルハン氏より『アバイ』をご恵投賜りました。どうもありがとうございます。 『アバイ』(イブラギム クナンバエフ詩集 叙事詩 訓戒の書)花伝社、2020年。 カザフの国民詩人、アバイ・クナンバエフの詩集です。 ja.wikipedia.org 日本語…

赤い十字 サーシャ・フィリペンコ著 歴史忘れ繰り返す同じ過ち

サーシャ・フィリペンコ『赤い十字』(奈倉有里訳、集英社)の書評を執筆しました。 「歴史忘れ繰り返す同じ過ち」『日経新聞』2022年2月12日。 www.nikkei.com 赤い十字 [ サーシャ・フィリペンコ ]価格:2420円(税込、送料無料) (2022/2/12時点) 楽天で購…

イベント告知(3月13日学習塾「とらきつね」)

矢倉喬士さんにお招きいただき、以下のイベントに出させてもらえることになりました。 告知です。3月13日(日)の13〜15時、福岡唐人町の学習塾「とらきつね」にて、「より良い翻訳のために──柳美里『JR上野駅公園口』とMorgan Giles _Tokyo Ueno Station_ …

イサーク・バーベリ『騎兵隊』中村唯史訳、松籟社

訳者の中村先生よりご恵投賜りました。どうもありがとうございます。 イサーク・バーベリ『騎兵隊』中村唯史訳、松籟社 ユダヤ系作家、イサーク・バーベリの代表作の待望の新訳ですね。 第一次大戦後のソヴィエト-ポーランド戦争。オデッサ出身のユダヤ系作…

レベッカ・L・ウォルコウィッツ『生まれつき翻訳――世界文学時代の現代小説』佐藤元状・吉田恭子監訳、田尻芳樹・秦邦生訳(松籟社)

レベッカ・L・ウォルコウィッツ『生まれつき翻訳――世界文学時代の現代小説』佐藤元状・吉田恭子監訳、田尻芳樹・秦邦生訳(松籟社) 訳者の佐藤先生にご恵投賜りました。どうもありがとうございます。新しい世界文学研究の研究書が日本語でも刊行されたこと…

西成彦『声の文学――出来事から人間の言葉へ』(新曜社)

著者よりご恵投賜りました。どうもありがとうございます。 西成彦『声の文学――出来事から人間の言葉へ』(新曜社) 小説の中で囁かれる声、あるいは「研究」のために収集されなくてはならなかった声。その多くは「非主流者」達の「個」としての複数の抵抗の…

2022年展望

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 昨年のふりかえりは昨日のエントリを見てください。 2022年の刊行予定をアップしておきます。 ・(翻訳)ウラジーミル・ナボコフ『ヴェーラへの手紙』(白水社)年内 ナボコフが妻ヴェー…

2021年回顧

2021年も終わりです。今年も自分の仕事で印象深かったものをあげておきます。 1 (訳書)アレクサンダル・ヘモン『私の人生の本』(松籟社) アレクサンダル・ヘモンのエッセイ集を翻訳刊行できました。 残念ながらまったく売れていないそうですが……。 2 (…

頭木弘樹・品川亮選・文『366日 文学の名言』三才ブックス

頭木さんからご編著をご恵投賜りました。どうもありがとうございます。 366日、毎日ひとつずつ「文学」の名言を紹介していく本になります。 ちなみに昨日の明言は そう疲れるはずはないのに、 ひどく疲れたような感じである。 今日一日、何をしたか? 何もし…