つづきです。
前回紹介したタヤンのオークションは、ナボコフ関係の二回目にして最後の大規模 オークションとうたわれていました。
しかし、その6年後、2011年6月13日に、クリスティーズの "Fine Printed Books and Manuscripts"でナボコフ関係の大量出品がおこなわれました。
これももちろん、息子ドミトリイが出品したものでした。
わずか6年間ですが、ずいぶん「お買い得」な印象。
一番高額な署名贈呈本で『ナボコフの塊』の3800~5300ドルです。
ほかにもたとえば、
前回も紹介した『キング、クイーン、ジャック』英訳版の献辞付き初版本ですが、今回も出品されています。
ホロヴィツのカタログで22500ドル、タハンで25000~30000ユーロだったのが、3100~4500ドルになっています。
上の絵がついたナボコフの『賜物』英語版初版の署名入り献本は、
1999年のホロヴィッツだと40000ドルですが、2005年のオークションだと25000~30000ユーロになっていたのが、2011年のクリスティーズでは、3100~4500ドルに!
つまり、このオークションはドミトリイによる「在庫一掃セール」だったようなのです。
それは出展されたほかの商品を見るとよくわかります。(つづく)