読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

Nabokov@Cambridge4: Widner Memorial Library

1953年から1956年頃まで、ナボコフプーシキン『エヴゲーニイ・オネーギン』の英訳とその注釈の作業に本格的に取り組みはじめ、そのためになんどもケンブリッジを訪れています。


ナボコフが訳注『エヴゲーニイ・オネーギン』の資料集めのために、たびたび訪れた図書館がハーヴァード大学のワイドナー記念図書館です。


全米で3番目に大きく(議会図書館、ニューヨーク公共図書館につぐ)、300万冊の蔵書を持ち、書庫は地上6階+地下4階(+α)。書架の長さは全部で90キロ以上にもなるといいます。


書庫に立錐の余地なくならんだ、天井まで伸びた書架はただの棚ではなく、それ自体が柱の役割もしているのだとか。つまり、初めから書架ありきで設計されているわけですね。


ハーヴァードにはほかにも小さなものまで含めれば70以上の図書館や図書室があるということですが、そのうちのひとつ、ホートン図書館はハーヴァードの稀覯本を一手に管理している図書館です。キーツやディキンソンのコレクションが有名ですが、それ以外にも貴重な資料が集められており、一部は週一回のツアーや一階の展示室で一般にも公開されています。

ここの地下のピューズィ図書館はワイドナー図書館と地下通路でつながっています。


ナボコフはエッセイ「翻訳をめぐる問題(プロブレム):『オネーギン』を英語に」で、プーシキン『エヴゲーニイ・オネーギン』の「最初の完全な版は、1833年春にサンクト・ペテルブルグで出版された。ハーバード大学のホートン図書館にこの版の現物が一冊、状態良好で保存されている」と書いています。


今ではオネーギンの初版本だけでなく、ナボコフ自身の原稿や書簡も一定数閲覧することができます。

Eugene Onegin: A Novel in Verse (Bollingen Series)

Eugene Onegin: A Novel in Verse (Bollingen Series)