訳すのは「私」ブログ

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Nabokov@Ithaca0: Introduction

以前、"Nabokov@Cambridge"で、ボストン・ケンブリッジ(ウェルズリー)時代、
作家ウラジーミル・ナボコフの住んでいた家・ゆかりの場所の「ツアー」をしました。


そこのIntroductionでも書いたのですが、
ナボコフのアメリカ時代には続きがあるわけです。

この3番目の20年にわたる「アメリカ時代」ですが、前半と後半にふたつにわけられます。

・前期(1941-1948):ボストン近郊、勤務先のウェルズリー大学やハーヴァード大学比較動物学博物館のそばに住んでいた時期

・後期(1948-1959):勤務先のコーネル大学のあるイサカに住んでいた時期


仮に前期を「ケンブリッジ・ウェルズリー時代」、後期を「イサカ時代」としておきましょう。

(この「ケンブリッジ」はハーヴァード大学、MITなどがあるケンブリッジ市のことです。ボストンとはチャールズ川を挟んでさし向いの位置にあります。イギリスのケンブリッジではありません[ナボコフケンブリッジ大学を出たのでややこしいですが]、念のため)

ちなみにナボコフは大陸をまたぐ大きな移動もしましたが、移住先でも細かく住居を変えるタイプのひとでもありました。

たとえばアメリカ時代の後半にあたるイサカ時代にも、住居を次々に変え、10軒の家に住むことになりました(ただし、晩年モントルー・パラスに移ってからはさすがに落ち着くんですが)。


1948年、ようやくコーネル大学にて専任職が見つかったナボコフ一家は大学の所在地のIthacaに引っ越しました。
10年以上住むことになった街Ithacaは、ニューヨーク州にあります。


と言っても、Ithacaはニューヨークから200マイル(300キロ)以上あるんですね。



人口3万人に満たないごく小さな、典型的なアメリカの大学町です。


(ちなみに名前Ithacaは「イサカ」とも「イタカ」とも("th"がthank youの感じなので)聞こえますが、
ここではイサカでいくことにします。)


この夏、コーネル大学のアーカイヴ調査のためにイサカを訪問する機会がありました。
その際、ナボコフの住んでいた家の写真を撮ることもできました。


とはいえ、「イサカ時代のナボコフの家」については中田先生のページがすでにあるので、
ざっと紹介していくことにします。


今度は

① 957 East State Street
② 802 East Seneca Street
③ 623 Highland Road
④ 106 Hampton Road
⑤ 101 Irving Place
⑥ 700 Stewart Avenue
⑦ 808 Hanshaw Road
⑧ 425 Hanshaw Road
⑨ 880 Highland Road
⑩ 404 Highland Road

の10か所です。