ダニーラ・ダヴィドフは1977年生まれのロシアの作家・詩人で、編集者としても活躍しています。近年は詩人・編集者としての活動が目立っていますが、短編小説も独特の味があっておもしろいので、ぜひ読んでみてください。ちなみにこれが邦訳紹介としては初めてなります。
短編の内容は、乗っていたバスが爆破され、偶然ひとり生き残った男イペリマンのはなしです。「(頭が)おかしい男」の話の翻訳が『未来の回想』~『出身国』~「望遠鏡」とつづいております。
この号は編集委員の藤井光さんの責任編集号で、私のほかにも各国の翻訳者が最新の文学を紹介してくれています。
また訳者同士による座談会も収録されています。
「文学にとってホームとはなにか」『早稲田文学 2015年冬号』 100-117頁
(私はあまり話していませんが)
そのほかにも翻訳者・研究者によるおすすめブックガイドや、対談、鼎談にくわえて、
連載のタチヤーナ・トルスタヤ、ジョアン・ギマランイス・ローザ、
ウラジーミル・ソローキンの長編など、外国文学の特集号になっています。
現在、なかなか同時代の海外小説を紹介してくれる媒体はない(特に英米以外)と思いますので、貴重な特集・文芸誌だと思います。