アーカイヴ探訪の一回目はニューヨーク公共図書館のバーグコレクションです。
マンハッタンのフィフス・アヴェニューの42番街にあって、ブライアント・パークに隣接した二頭のライオンでおなじみの公共図書館です(「公立」図書館ではない)。
『ゴーストバスターズ』の舞台としてもよく知られた観光地でもあります。
しかし、バーグに行くには正面左わきの小さな入口から入るのが便利です。
入ってすぐの受付で必要なもの以外は預けてしまいます(透明なバッグも借りられます)。
バーグ・コレクション(正式名称the Henry W. and Albert A. Berg Collection of English and American Literature )は三階にあります。
中はこんな感じです。保存のためか、冷房が効きすぎていて夏でも非常に寒いです。
はじめて利用する際には、直接バーグに行くのではなく、一般向けカウンターで図書館カードを作ってもらってから行くことになります。
また、バーグの利用は要予約です。事前にアポイントをとらないと利用が難しいです。前もって、なにを調べたいのか、finding aidをつかって目星をつけておきましょう(これはすべてに言えることですが)。
New York Public Library Web Server 1 /All Locations
http://archives.nypl.org/uploads/collection/generated_finding_aids/brg19126.pdf
気をつけなくてはならないのは、アメリカの大学図書館のアーカイヴは基本的に撮影可能ですが、バーグは不可だということです。そのため、気になるアイテムをすべて撮影して帰るというわけにはいきません。ノートか、ラップトップコンピューターで書き写すことになります。
コレクションを出してもらうのも、ひとつひとつ申込書に書いてキュレーター/ライブラリアンの人にわたさなくてはなりません。今はオンラインのところが多いのでちょっと手間です(NYPLのWiFiは使えます)。
ナボコフのコレクションについて。ここのコレクションは、以前紹介したように、ボイドの伝記作業完成後に、ヴェラとドミトリイがホロヴィッツ書店を通して150万ドルで売却したものになります。
yakusunohawatashi.hatenablog.com
総数は一万五千点以上、原稿、書簡から手択本まで、あらゆるアイテムがおさめられています。あまりにヴァラエティに富んでいるため、一口で説明するのは難しいですし、私も全貌を知るわけではありません。
Nabokov Under Glass - An Exhibition at The New York Public Library
(1999年に生誕100年を記念して収蔵品の一部が展覧会で展示されました)
ただし、一部のアイテム(ロシア語で書かれたもの)は事前にエージェントの許可が必要になりますので注意してください。
撮影不可のため、書簡などは(可能なら)別の図書館で見たほうが楽なことが多いです。膨大なアイテムの量で、「なんでもある!」と思ってしまいますが、70年代以降の資料が欠落していたりすることもあります。
ナボコフに限らないですが、収蔵品を写真付きで紹介した書籍も刊行されています。
資料の充実度 ★★★★★★★★★★
使いやすさ ★★
館内の寒さ ★★★★★