アーカイヴ紀行の四回目はイェール大学バイネキー稀覯本・草稿図書館です。
イェール大学はコネチカット州ニューヘイヴンに所在する私立大学です。
バイネキー稀覯本・草稿図書館はその荘厳な、英国風キャンパスのはずれにあります。
現代的な、かっこいい外観。
中はもっとかっこよい。
調査室は下におりていく形になります。
ここも膨大な資料を集める図書館ですが、ナボコフ関連で重要なのはエドマンド・ウィルソンとの書簡があることです。
これは書簡集のかたちでまとめられていますが、一部抹消されてしまった人名などもあるので、現物を見るのは悪いことではありません。
バイネキーには、ナボコフ関連にかぎってもウィルソン以外にも相当数の資料があります。特筆すべきは、亡命ロシア関連が充実していることです。ジナイーダ・シャホフスカヤ、ニーナ・ベルベーロヴァ、ニコライ・ナボコフ……
たとえば、ベルベーロヴァ・ペイパーズにはナボコフがホダセーヴィチにあてた手紙が数通保存されています(ベルベーロヴァはホダセーヴィチの恋人で、のちにイェールにつとめました)。
ただしロシア語の旧正字法で書かれた手書きの文書を解読するのは、かなり難しいのですが……。
事前にYale Finding Aid Databaseで資料についてよく研究していきましょう。
ここも小型カメラ持ち込み可です。現物を撮影できます。
また、これはバイネキーにかぎったことではないですが、アーカイヴを利用するときは写真付きIDを二種類求められることがあるので、パスポート以外にもなにか携帯しているといいでしょう。
街の寂しさにもかかわらず、もう一度滞在して、じっくり調査してみたいと思わせる図書館なのでした。
資料の充実度 ★★★★
使いやすさ ★★★★
街のshabby度 ★★★★★