訳すのは「私」ブログ

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ナボコフのアーカイヴを訪ねて⑥ コーネル大学カール・A・クロック図書館

アーカイヴ紀行の6回目です。今回はコーネル大学です。

コーネル大学の所在地であるニューヨーク州イサカについては前にナボコフの旧居ツアーをしました。

 

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 イサカの丘の上にあるコーネル大学、そのメインライブラリーのオーリン図書館の、

 

 

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地階にアーカイヴであるカール・A・クロック図書館(Carl A. Kroch Library)はあります。

 

「Carl A. Kroch」の画像検索結果

閲覧席はこんな感じ。

 

ナボコフが教鞭をとっていた大学だけあって、関連資料が充実していますし、図書館も積極的に資料を収集しようとしているようです。

 

書簡に関しては、やはりコーネル大学教授だったモーリス・ビショップとその妻アリソン・ビショップとの書簡が保管されています。

 

あとはパリでナボコフのエージェントをしていたドゥシア・エルガとの間の書簡が貴重です。中には悪名高いオリンピア・プレスのモーリス・ジロディアスとの書簡も含まれています。

 

ほかに興味深いのは、学生のとったナボコフの講義の授業ノートが保管されていることです。『文学講義』シリーズは原稿が全部残されていたわけではないので、編者はこのような学生のノートも活用していまあるかたちのものをつくったんですね。

 

 

 

 

ここには円城塔芥川賞受賞作品「道化師の蝶」のモチーフになった『見てごらん道化師を!』のヴェラへのイラスト付き献本も保管されています。

 

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また、コーネル大学には、ナボコフの折り畳み式捕虫網もあるそうです(未見)。

ただし、図書館ではなく博物館の方に買われたのではないでしょうか。さすがに捕虫網を見ても論文書けそうにないのであれですが。

 

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60年代以降、ナボコフとなかばセットのようにしてカメラにおさまったものです。

 

 

ここも写真OKです。それほど大きなアーカイヴではないんですが、司書の方が親切だった印象があります。だいたい、地方の図書館ほど外からきた人を歓迎してくれるんですよね。ただ、やはりイサカは遠いですね。

 

資料の充実度 ★★★★

使いやすさ  ★★★★★

たどりつくまでの大変さ ★★★★★