訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

2018年展望

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 

2018年の刊行予定をアップしておきます。

うち、ナボコフ・コレクションをのぞいては、ここが初めての告知になるはずです。

 

・(共訳)ナボコフ・コレクション2巻『ルージン・ディフェンス 密偵』(新潮社)4月

 

コレクションの第二巻(配本順では三番目)に収録された中編『密偵』の訳を担当します。今回はロシア語版からの翻訳です。これは既訳では『目』として、英語版からの翻訳が白水社から小笠原豊樹訳ででています。小笠原訳は名訳ですので、そちらを読んでもらってもいいですし、ロシア語版と英語版ではどう違うのか比べてもらってもいいかと思います。

 

 

・(共訳)エミリー・アプター『翻訳地帯――新しい人文学の批評パラダイムにむけて(仮)』(慶応義塾大学出版会)春

 

「世界文学」関連文献翻訳プロジェクトとして、ダムロッシュ『世界文学とは何か?』、モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』につづく第三弾として去年一年間まるまるかけて翻訳してきました。この三冊を読むと、現在のディシプリンとしての世界文学研究の基本がだいたいわかると思います。翻訳研究と比較文学、人文学、批評を結び付けようとした点で、すでに古典としての評価がある著作です。

 

 

・(単著)『アメリカのナボコフーー塗りかえられた自画像(仮)』(慶応義塾大学出版会)春

 

同じく慶応義塾大学出版会さんから。卓越したロシア語作家V・シーリンはいかにして世界的な英語作家ウラジーミル・ナボコフになったのか? 六年以上にわたるアメリカ各地のアーカイヴ調査の成果を踏まえ、研究の最新の知見を随所に盛りこみました。名声、出版、流通、翻訳、正典化といったキーワードを軸にして、「芸術家ナボコフ」の神話を徹底的に検証・解体します。『ナボコフ 訳すのは「私」――自己翻訳がひらくテクスト』(東京大学出版会)から七年ぶりのモノグラフかつ、前著の内容を徹底的に批判したものになるはずです。

 

・(共編)『アンソロジー企画(仮)』(三省堂)秋

 

アプターやモレッティが世界文学の理論編なら、こちらは実践編になるはずです。この本も2016年の秋から一年以上にわたって編集会議をおこなってきました。現在の世界で、文学を読むとはどういうことなのか。それは耳ざわりのいいことばだけではなく、片隅から聞こえてくる「ノイズ」のようなものにも耳を傾けるような態度になるはずです。

 

2018年は、この四冊が出ていくはずです。また詳しい内容などここで告知していくと思います。よろしくお願いいたします。