ナボコフ
1954年8月、ニューメキシコに旅行に来ていたナボコフ、ヴェラ、ドミトリイですが、借りていたロッジの貯水槽で動物が死んでおり、ヴェラが感染症になってしまいます。 On Tuesday, August 10, she [Vera] was driven to a doctor in Alburquerque. His diagn…
2018年度の日本ナボコフ協会の大会が以下の要領でおこなわれます。ふるってご参加ください。今回はパネルと、海外の研究者をまねいての講演一本です。 2018年度の大会は5月12日(土)、東京大学本郷キャンパスにて行われます。 ふるってご参加ください。(一…
1943年、ナボコフ一家は夏を一家でニューディレクションズ社の社主ジェイムズ・ロフリンの経営するユタ州のアルタ・ロッジで過ごしました。新学期のためケンブリッジに帰る途中、列車での旅だったようですが、どうもニューヨークに立ち寄ったようです。 アメ…
ナボコフは1951年12月8日にもニューヨークでロシア語朗読会をおこなっています。 Early in December they jouneyed to New York, where on December 8 the Russian emigre community staged a Nabokov reading at the Master Institute Theater. Nabokov spe…
かねてより告知していた新潮社ナボコフ・コレクションですが、 版元の都合により、刊行時期が変更になりました。 www.shinchosha.co.jp 4月刊行の予定だった第三巻ですが、12月刊行になりました。 (ちなみに私はすでに『密偵』の訳文と訳者解説を新潮社に送…
1949年5月、ナボコフはすでにケンブリッジからイサカに引っ越していましたが、ニューヨークでロシア語朗読会をおこないました。 当時の招待状は以下のようなものだったといいます。 相互扶助「希望」協会 ご招待 V・V・シーリンによる朗読会 「「詩と解説…
ナボコフのアメリカ到着直後の1940年におこなわれた二回目のニューヨーク朗読会は11月10日におこなわれました。また、現地紙『新しいロシアのことば』は予告を載せました。 121ウェスト54番街のアーティスト・クラブにて、明日の夜八時より、V・V・シーリ…
前々回、朗読会の場所について紹介したので、いくつかニューヨークでおこなわれたほかの朗読会の場所を紹介しましょう。 はじめに、記録にあるアメリカ最初の朗読会の話です。 1940年5月にニューヨークに到着したナボコフは、その年にいくつかニューヨークで…
1958年10月につづいて、ナボコフ夫妻は11月にもニューヨークをたずねます。今回のニューヨーク滞在は、初のTV出演であるCBCのインタヴューの収録がロックフェラーセンターであったのです。 She felt differently about his first televison appearance, a …
久しぶりにNabokov@New York Cityの更新です。 1958年8月、アメリカ版『ロリータ』が パットナム社より刊行されると、ナボコフの周囲はにわかにあわただしくなっていきます。 10月、ナボコフ夫妻は2週間ほどニューヨーク・シティを訪れることになりました。…
アーカイヴ紀行も11回目になりました。 今回はウェルズリー大学です。 ウェルズリー大学一般についての情報はこちらもご覧ください。 yakusunohawatashi.hatenablog.com ボストン郊外のウェルズリーに位置する名門女子大であるウェルズリー大学は、ナボコフ…
発売中の『新潮』2018年1月号に ナボコフの「密偵」の冒頭部を訳しました。 「密偵」は以前は『目』として白水社から小笠原豊樹訳で刊行されていた作品です。 今回、『新潮』では特集を組んでいますが、 先月の『すばる』の「ヴェラの手紙」とは違って、 す…
アーカイヴ紀行の9回目です。 今回は東海岸から大きく飛びまして、テキサス大学オースティンのハリーランサムセンターをご紹介します。 オースティンはテキサスの州都、テキサス大学オースティン校は名門として知られます。 おなじみの州議事堂。 広いキャン…
ナボコフ関連の資料が所蔵されているのは、図書館ばかりとは限りません。 ひとつが、博物館です。 ニューヨークのアメリカ自然史博物館は、ナボコフが調査研究をおこなっていたこともあり、研究員とナボコフとの書簡がのこされています。 yakusunohawatashi.…
アーカイヴ紀行の6回目です。今回はコーネル大学です。 コーネル大学の所在地であるニューヨーク州イサカについては前にナボコフの旧居ツアーをしました。 yakusunohawatashi.hatenablog.com イサカの丘の上にあるコーネル大学、そのメインライブラリーのオ…
アーカイヴ紀行の5回目はコロンビア大学バフメチェフ・アーカイヴです。 コロンビア大学はニューヨーク、マンハッタンのアッパーウェストサイドにあります。このあたりは昔は治安が悪かったそうですが、いまはそうでもない感じです。 印象的なドームのロウ記…
アーカイヴ紀行の四回目はイェール大学バイネキー稀覯本・草稿図書館です。 イェール大学はコネチカット州ニューヘイヴンに所在する私立大学です。 バイネキー稀覯本・草稿図書館はその荘厳な、英国風キャンパスのはずれにあります。 現代的な、かっこいい外…
今年の3月12日に駒場でおこなったシンポジウムの書きおこしが『すばる』に掲載されました。 「複数の言語、複数の文学──やわらかく拡がる創作と批評」『すばる』11月号、270-287頁。 (私はSession 2「ナボコフは世界文学か? 亡命・二言語使用・翻訳」275-2…
前回紹介した議会図書館には、Nabokov papers以外にもナボコフ関連の貴重な資料は数多く保管されています。その多くは書簡類で、別々の人間がそれぞれ寄付してしまうと、それぞれの文書・コレクションに分散してしますことになります。 すべてをあげるのは不…
「ナボコフのアーカイヴを訪ねて」二回目は議会図書館です。 1959年に『ロリータ』のヒットによってふりかかった莫大な税金を減免するために、ナボコフは手元にあった原稿や書簡の一部を議会図書館に寄贈することにしました。完璧主義者の作家は、寄贈後50年…
アーカイヴ探訪の一回目はニューヨーク公共図書館のバーグコレクションです。 マンハッタンのフィフス・アヴェニューの42番街にあって、ブライアント・パークに隣接した二頭のライオンでおなじみの公共図書館です(「公立」図書館ではない)。 『ゴーストバ…
唐突ですが、今度からナボコフのアーカイヴについての情報を不定期で何回かアップしていきたいと思います。 ナボコフの資料を収蔵している図書館・文書館はいくつかありますが、全米に散らばっているというのが実情です。 もちろんメジャーなところは数カ所…
7月2日はナボコフの命日です。1977年7月2日にナボコフは亡くなりました。 マキシム・シュライヤー先生から依頼をいただき、 ナボコフ没後40周年特別企画アンケートに回答しました。 www.colta.ru ロシア語ですが。 回答者は ユーリイ・レヴィング、アンドレ…
論文を寄稿した本が刊行されました。 "Nabokov and Hearn: Where the Transatlantic Imagination Meets the Transpacific Imagination," Nabokov Upside Down. Evanston: Northwestern University Press. 2017. pp. 158-168. いや、3月にでたのは知っていた…
論文が刊行されました。 「ナボコフとエリオット――「ゲーム」から「モラル」へ、「歴史」から「伝記」へ」『T.S. Eliot Review』27号、2016年、52-68頁。 去年の11月に、日本T.S.エリオット協会で発表させていただいたことをまとめたものです。 yakusunohawa…
新しくわかったNYCでの滞在先を記しておきます。 亡命ロシア人で、編集者・ビジネスマンのロマン・グリンベルグのアパートにたびたび滞在していたようです。名前からしてユダヤ系でしょうね。 ロマン・グリンベルグ(1893-1970)がナボコフと知り合った…
3年ぶりぐらいのシリーズです。 1940年代、ケンブリッジ・ボストン近郊に住んで、蝶についての調査をMCZで始めていたころのナボコフが、たびたび訪問したのがニューヨークのAmerican Museum of Natural History(アメリカ自然史博物館)です。 77番街―81…
さて、いままで書簡・原稿・レア本など見てきましたが、そのほかにもオークションにはいろいろ変なものがでています。締めくくりに、そういったヘンテコな出品を見てみましょう。ちなみに、ここであげたのはすべて前回のクリスティーズ・オークションの出品…
つづきです。 前回紹介したタヤンのオークションは、ナボコフ関係の二回目にして最後の大規模 オークションとうたわれていました。 しかし、その6年後、2011年6月13日に、クリスティーズの "Fine Printed Books and Manuscripts"でナボコフ関係の大量出品が…
前回からだいぶあいてしまいました。 さらにつづきです。 1999年のホロヴィッツによるカタログによる販売のあと、もっとも大規模な販売が、タヤンがとりしきった、ジュネーヴのホテル・デス・ベルゲスでおこなわれたオークションです。 ここに出展されている…