さて、いままで書簡・原稿・レア本など見てきましたが、そのほかにもオークションにはいろいろ変なものがでています。締めくくりに、そういったヘンテコな出品を見てみましょう。ちなみに、ここであげたのはすべて前回のクリスティーズ・オークションの出品です。こうしてみれば、2011年のオークションが、「在庫一掃セール」だというのがよくわかります。
まず、ナボコフの机です。
晩年、ナボコフは立って執筆をおこなうことが多かったようです(あるいはベッドに寝転んで)。これはその机で、愛用の辞書ウェブスター第二版とのセットです。
これが3800~5300ドル。
ナボコフと言えば蝶。
その愛用の補虫網も出品されています。
4600~6000ドルとのこと。これが予想最高額商品でした。
なお、おそらく現在はコーネル大学にあるはずです。
蝶のほかに、ナボコフのもうひとつの紋章と言えばチェスです。
ナボコフ愛用の携帯チェス盤も出品されています。
携帯チェスセットのセットです。おそらく、プロブレムを作る際にもこれを使ったのでしょう。こちらは610~900ドル。
さらに、こんなものまで。
ナボコフの愛用の蝶モチーフの鉛筆削りにペーパークリップ。
310~450ドルとのことです。
次はナボコフ愛用の鉛筆。
鉛筆のお尻に注目。消しゴムがついています。この消しゴムが鉛筆に比べてすぐなくなってしまうことをインタヴューで嘆いていますが、何本かの鉛筆には消しゴムのキャップ?がついていますね。鉛筆入れの箱もおもしろいです。これは「仙台平」で、宮城の名産の紬のようですが、なぜナボコフが持っていたのか。箱には蝶の落書きが見えます。
さらに、ナボコフの愛用の老眼鏡まであります。
1100~1500ドルとのこと。
渡米後の写真ではリーディング・グラスをつけていることが多いですね。
ほかにもタイプライターや豪華なチェスセット、ロリータの眼鏡なんかも出品されています。
みんな買い手はついたのでしょうか? しかしさすがに研究者でもいらんな、と思うものも多いですね。鉛筆はともかく眼鏡があっても??