書評
シャオルー・マー 『仲介する日本--ロシアから中国への文化横断とリレー翻訳』(文学通信)の書評を藤井省三先生が書いてくださいました。どうもありがとうございます。 「露・中をつないだリレー翻訳」『日経新聞』11月8日 ロシア―日本―中国の三国間の"文…
オリヴィエ・グローグ『カミュ ふたつの顔』(木岡さい訳、青土社)の書評を時事通信社に依頼されて書きました。 『河北新報』8月3日 『静岡新聞』8月10日 『陸奥新報』7月26日 『奥羽新報』7月30日ほかに掲載されたようです。 カミュ ふたつの顔 [ オリヴィエ…
『日本経済新聞』2022年2月12日掲載 サーシャ・フィリペンコ『赤い十字』名倉有里訳、集英社 デビュー作『理不尽ゲーム』が本邦でも好評を博した、ベラルーシの新進気鋭の作家サーシャ・フィリペンコの長編第四作が本書である。 小説の舞台は世紀の変わり目…
「既成概念の枠を広げ新しい読者層を開拓する野心的な試み ナボコフ・コレクション全五冊(新潮社)」『週刊読書人』2017年12月8日。 作家ウラジーミル・ナボコフの没後四十周年を祝うかのように、二〇一七年一〇月、若島正・沼野充義監修による「ナボコフ・…
『日本経済新聞』5月23日 コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』(鴻巣友季子・竹内要江・木下眞穂・ラッシャー貴子・手嶋由美子・井口富美子訳、左右社) メリアム=ウェブスター社と言えば、米国を代表する辞書の老舗として知…
『図書新聞』3454号、2020年7月4日。 佐藤=ロスベアグ・ナナ『学問としての翻訳』みすず書房 現在、ロンドン大学で翻訳研究【トランスレーション・スタディーズ】を講じる著者が、たまたま手にとったという雑誌――『季刊翻訳』(1973―75)――と、『翻訳の世界…
『日経新聞』2020年2月15日号 モーシン・ハミッド『西への出口』(藤井光訳、新潮社) 殆どの読者にとって移民とは、新聞やテレビニュースの中の出来事だろう。同情はすれど、自分がそうなるとは想像だにしない。 パキスタン出身の英語作家モーシン・ハミッ…
『日経新聞』2019年12月7日 ノラ・イクステナ『ソビエト・ミルク――ラトヴィア母娘の記憶』(黒沢歩訳、新評論) 本作は、バルト三国の一国、ラトビアで刊行されてベストセラーになった。ラトビアは長年にわたって大国に翻弄されてきた。第一次大戦中に悲願の…
『静岡新聞』 二〇一九年五月二六日ほか 鴻巣友希子『謎とき『風と共に去りぬ』―― 矛盾と葛藤にみちた世界文学』新潮選書 テキサスのある文学博物館で、『風と共に去りぬ』の展示を見たとき、ツアーの参加者がみな『風と共に去りぬ』の熱烈な愛読者で、三回…
『北日本新聞』二〇一八年八月一二日ほか ベン・ブラット『数字が明かす小説の秘密 スティーヴン・キング、J・K・ローリングからナボコフまで』坪野圭介訳、DU BOOKS AIによる小説の執筆の可能性も議論される昨今、小説を読む上でもコンピュータを用いた試み…
『琉球新聞』二〇一八年一〇月一四日ほか 橋本陽介『ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで』角川書店 本書の「はじめに」で著者はノーベル文学賞作家の作品が「読まれていない」と言う。日本でも外国文学研究者が紹介や翻訳に尽…
『河北新報』2018年1月21日号ほか 翻訳こそ世界文学の絆 本回想記の著者は、日本では三島由紀夫の評伝の作者として知られている。六〇年代、ノーベル文学賞の野心を抱いた三島の知遇を得たネイスンは、『午後の曳航』を英訳する。しかし、次に訳したのは大江…
『読売新聞』二〇二〇年八月一日夕刊 村上春樹『一人称単数』文藝春秋 不思議なタイトルの短編集だ。実際、本書に収録された短編はどれも――「ぼく」や「私」のちがいはあるが――「一人称単数」で書かれている。そして語り手自身も、生まれ育ちから趣味、職業…
媒体に掲載されて十分時間が経過したと思われる書評は(単行本に未収録のもの、レポジトリに未収録のもの)、こちらで公開してみることにしました。 集英社のPR誌の『青春と読書』2月号(65頁)に寄稿したザミャーチン『われら』(小笠原豊樹訳、集英社文庫)…
片岡真伊『日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題』(中公選書)について書評を書かせていただきました。 谷崎や川端の英訳の生成過程をアーカイヴ調査によって解明し、東西の小説概念の違いについて考察する意欲的な内容です。 時事通信社を通じていくつか…
アレクサンダル・ヘモン『ブルーノの問題』の書評を書いてくださったかたがた、どうもありがとうございます。 牧眞司 「語りの技巧を隠し味に、虚実が入り交じるスパイ物語」『SFマガジン』2024年2月号、158頁。 「少しシュールで乾いたユーモアの作品だ。意…
ホイト・ロング『数の値打ち――グローバル情報化時代に日本文学を読む』(フィルムアート社)の書評をまとめておきます。 荒木優太さん「文学は数で読め。ホイト・ロング『数の値打ち』をズカズカに読む一人読書会」 www.youtube.com 『日本経済新聞』2023年1…
書評を寄稿しました。 「書評 佐藤=ロスベアグ・ナナ編『翻訳と文学』」『れにくさ』第12号、2022年、264-267頁。 そこにも書きましたが、「翻訳研究の学術書」としては相当にふわっとした内容だと思います。いったいなんのためにこういった本はつくられて…
サーシャ・フィリペンコ『赤い十字』(奈倉有里訳、集英社)の書評を執筆しました。 「歴史忘れ繰り返す同じ過ち」『日経新聞』2022年2月12日。 www.nikkei.com 赤い十字 [ サーシャ・フィリペンコ ]価格:2420円(税込、送料無料) (2022/2/12時点) 楽天で購…
以下の本の書評を書きました。 「坪井秀人・瀧井一博・白石恵理・小田龍哉編『越境する歴史学と世界文学』(臨川書店、二〇二〇年)」『比較文学』第63巻、2021年、157ー159頁。
『読売新聞』(11月8日)に『ロリータ』の書評を書きました。 新しくはじまった[文庫×世界文学 名著60]というシリーズの一冊です。 www.yomiuri.co.jp
書評を書かせていただく機会が増えてきたこともあり、 一度いままで書いたものをこのエントリにまとめておきます(随時追加します)。 「David Damrosch, What Is World Literature? Princeton, New Jersey, Princeton UP, 2003, 324pp+xiii」『Slavistika』…
本日の『読売新聞』夕刊に「村上春樹『一人称単数』どう読む」というお題で 文章を寄稿させていただきました(800字)。 よろしければご覧ください。 村上春樹さんの新刊「一人称単数」を、プロの読み手はどう読んだのか。1日付け夕刊文化面に、翻訳家の鴻…
書評を現在刊行中の『図書新聞』に寄稿しました。 「「学問としての翻訳」を日本に探り出そうとする試み 佐藤=ロスベアグ・ナナ『学問としての翻訳』みすず書房」『図書新聞』3454号、2020年7月4日。 2000字超書いております。 『図書新聞』は全国書店だけ…
『日本経済新聞』5月23日に書評を寄稿しました。 コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』鴻巣友季子・竹内要江・木下眞穂・ラッシャー貴子・手嶋由美子・井口富美子訳、左右社 www.nikkei.com
モーシン・ハミッド『西への出口』(藤井光訳)の書評を書かせていただきました。『日経新聞』2月15日号です。以下からも会員登録で無料で読むことができます。 www.nikkei.com
今年書かせてもらった書評をまとめました。 大半が『読売新聞』「[現代×文芸 名著60]」で書いたものになります。 ・宮本輝『骸骨ビルの庭 上・下』講談社文庫 『読売新聞』5月9日 ・鴻巣友希子『謎解き『風と共に去りぬ』』新潮選書 『静岡新聞』5月26日…
時事通信社をつうじて配信した書評をまとめておきます。 ベン・ブラット『数字が明かす小説の秘密――スティーヴン・キング、J・K・ローリングからナボコフまで』坪野圭介訳、DU BOOKS、2018年。 『北日本新聞』二〇一八年八月一二日ほか (ここの版元は相当い…
このエントリにマシュー・レイノルズ『翻訳――訳すことのストラテジー』の書評をまとめておきます。 書評をくださったみなさま、どうもありがとうございました。 鴻巣友季子 鴻巣友季子さん『毎日新聞』2019年3月17日 「政治力学にも切りこむ」 mainichi.jp …
日本ナボコフ協会の会誌『KRUG』の11号に、書評を寄稿しました。 [書評]Duncan White, Nabokov and His Books: Between Late Modernism and the Literary Marketplace 『Krug』11号、2018年、85-88頁。 ダンカン・ホワイトの本は、拙著と扱っているテ…