訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

西成彦『声の文学――出来事から人間の言葉へ』(新曜社)

著者よりご恵投賜りました。どうもありがとうございます。

 

西成彦『声の文学――出来事から人間の言葉へ』(新曜社

 

小説の中で囁かれる声、あるいは「研究」のために収集されなくてはならなかった声。その多くは「非主流者」達の「個」としての複数の抵抗の声であり、歴史のうねりの大きさを象徴する。「声」が力強い言葉へと文脈化される道程を追う画期的な書。戦時性暴力、ジェノサイド、ミソジニー。あらゆる暴力下に生きた人々の「声」を我々の現在の「生」へと結びつける。 

 

www.shin-yo-sha.co.jp

 

2022年展望

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

昨年のふりかえりは昨日のエントリを見てください。

 

 2022年の刊行予定をアップしておきます。

 

・(翻訳)ウラジーミル・ナボコフ『ヴェーラへの手紙』(白水社)年内

 

ナボコフが妻ヴェーラにあてた五十年分の、三百通以上の手紙。完訳になります。

手元の訳稿1400枚超。今年こそは出ると思います。

 

・(共訳)ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダル(仮)』(フィルムアート社)

 

翻訳研究の第一人者ヴェヌティの待望の邦訳です。もはや古典です。

 

・(共編・共訳)『???』(作品社)年末~来年

これも昨年からの持ち越し。ナボコフ関連とだけ。オリジナル編集の、かなり変わった本・アンソロジーになりそうです。

 

2022年は、このあたりが出ていくはずです。よろしくお願いいたします。

2021年回顧

2021年も終わりです。今年も自分の仕事で印象深かったものをあげておきます。

 

1 (訳書)アレクサンダル・ヘモン『私の人生の本』(松籟社

アレクサンダル・ヘモンのエッセイ集を翻訳刊行できました。

残念ながらまったく売れていないそうですが……。

 

 

 

2 (論考)「拡張される自意識のための「世界」――「世界文学」とアメリカ」『群像』2021年1月号、282 - 290頁

久しぶりに『群像』から依頼を受けて、論考を書きました。

 

今年は残念ながらあまり成果を発表できませんでしたが、仕方ありません。

ほかには国際学会で英語で発表させていただいたり(カテリーナ・クラーク先生がなぜかコメントを……)、

世界文学CLNでのパネルに加えていただいたりといったあたりが印象に残っています。

どちらもよく発表できたな、とコンディションを考えると思えます。

 

2022年の展望は元日に公開したいと思います。

それではみなさん、よいお年をお迎えください。

頭木弘樹・品川亮選・文『366日 文学の名言』三才ブックス

頭木さんからご編著をご恵投賜りました。どうもありがとうございます。

 

366日、毎日ひとつずつ「文学」の名言を紹介していく本になります。

 

ちなみに昨日の明言は

 

そう疲れるはずはないのに、

ひどく疲れたような感じである。

今日一日、何をしたか?

何もしはしない。

 

中島敦『狼疾記』より

 

とてもいまの気分にあっている気がしてきました。

 

↓頭木さんのブログです。

ameblo.jp

 

 

沼野充義・沼野恭子編訳『ヌマヌマーーはまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』河出書房新社

訳者からいただきました。どうもありがとうございます。

 

沼野充義沼野恭子編訳『ヌマヌマーーはまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』河出書房新社

 

沼野夫妻がここ30年程のあいだに訳された現代ロシア文学の短編集です。

ひとくちに「現代」と言ってしまっても、収録作家の世代の幅は相当ありますね。

残念ながら現段階でこの作品集の目次がどこにもあがっていないので?

内容を本ブログが世界にさきがけて紹介しておきましょう。

 

はじめに――未来後の世界からの報告

 

ニーナ・サドゥール 空のかなたの坊や

 

ミハイル・シーシキン バックベルトの付いたコート

 

マリーナ・ヴィシネヴェツカヤ 庭の経験

 

ヴィクトル・ペレ―ヴィン 聖夜のサイバーパンク、あるいは「クリスマスの夜―117.DIR」

 

オリガ・スラヴニコワ 超特急「ロシアの弾丸」

 

エドワルド・リモーノフ ロザンナ

 

ザハール・プリレーピン おばあさん、スズメバチ、スイカ

 

タチヤーナ・トルスタヤ 霧の中から月が出た

 

ヴィクトル・エロフェーエフ 馬鹿と暮らして

 

エヴゲーニイ・グリシコヴェツ 刺青

 

アサール・エッペリ 赤いキャビアのサンドイッチ

 

アンドレイ・ビートフ トロヤの空の眺め

 

あとがき

 

 

 

www.kawade.co.jp

 

シギズムンド・クルジジャノフスキイ「支線」

以前翻訳したシギズムンド・クルジジャノフスキイの短編「支線」が、

松籟社noteで公開されています。

よろしければご覧ください。

 

note.com

「支線」が収録されているのはこちら。

 

 

クルジジャノフスキイのほかの作品はこちら。

 

 

アレクサンダル・ヘモン『私の人生の本』(松籟社)書評

アレクサンダル・ヘモン『私の人生の本』(松籟社)の書評が『週刊 読書人』2021年10月29日号に掲載されています。評者は福嶋伸洋さん。どうもありがとうございます。

「複数形のlivesが織り成す迷宮――「人生」「暮らし」「命」、さまざまな曲がり角」

重層にまたがった複数形のlivesが織り成す迷宮へと、アレクサンダル・ヘモンのこの本は読者は導いていく。

 

日本経済新聞』2021年10月30日号

出来事の前と後、複数のアイデンティティー、あり得たかもしれない別の人生の重なりを見つめ、美しい文章を生み出す。

 

 

www.nikkei.com

図書新聞』3525号、1月1日号

矢倉喬士さん

ヘモンは人生の矛盾を矛盾のままに、現実の破裂を破裂のままに描き出すのだ。