訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

特集✴辞書の世界

今号の『ユリイカ 特集✴辞書の世界』に小文を寄稿しました。ユリイカ2012年3月号 特集=辞書の世界作者: 北原保雄,永江朗,三浦しをん,高山宏,小谷野敦出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/02/27メディア: ムック購入: 2人 クリック: 28回この商品を含むブロ…

「失敗」した自己翻訳:フェルナンド・ペソアの場合

20世紀ポルトガルを代表する詩人、フェルナンド・ペソア(1888〜1935)は、英仏葡のトリリンガル詩人でした。また、彼が商業翻訳で生計をたてていた、という事実もあれば、当然ながら自己翻訳もしていたのではないか、と思いいたるのは当然です。 ペソアがカ…

2011年回顧など

だいたい各媒体「2011年の収穫」のような特集がでそろったようですので私が目にした範囲でまとめておきます。紹介者・書評者の方々に深くお礼を申しあげます(見落としなどご容赦ください)。 毎年恒例の月刊『みずず』の読書アンケート特集で、ダムロッシュ…

メモ:自動翻訳と自己翻訳

前に書いたエントリで触れたナンシー・ヒューストンについていくつか日本語文献を見つけたのでメモ。横川晶子「「バイリンガル作家」ナンシー・ヒューストン」 英語で最初に書かれた作品の自己翻訳が賞を受賞したことに巻き起こった反発の話。 (これはカナ…

コシンスキの場合

『ペインテッド・バード』で有名なイェジー・コシンスキ(1933〜1991)は、晩年スキャンダルに見舞われた作家でもあります。そのスキャンダルの内容とは「コシンスキの書いたものはみな、もともとはポーランド語で書かれたもので、秘密裏に訳者を雇って英訳…