前に書いたエントリで触れたナンシー・ヒューストンについていくつか日本語文献を見つけたのでメモ。
英語で最初に書かれた作品の自己翻訳が賞を受賞したことに巻き起こった反発の話。
(これはカナダだから、という感じがします。過去に自己翻訳で文学賞をとった人間はいたのかな?)
ちなみに、以下の論文では「自動翻訳」という言葉をタイトルに用いています。
真田桂子「ナンシー・ヒューストンの『草原讃歌』──自動翻訳文学の波紋と母語神話の崩壊──」
この自動翻訳という語は,後述するヒューストン論争において用いられた,autotraduction を訳したものである。
すなわち作者自身が,原作を別の言語に移し換えることを意味する。
17頁
(おそらく、以下の文献に収録されている「自己翻訳文学の波紋と母語神話の崩壊―ナンシー・ヒューストンの『草原讃歌』」という論考は再録かと)
トランスカルチュラリズムと移動文学―多元社会ケベックの移民と文学 (阪南大学叢書)
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以前英語でもauto-translationという言い方はあったのですが、次第に見なくなりました。日本語でもそうですが、おそらくauto-transalation「自動翻訳」というと、機械翻訳を連想させるからでしょう。
しかし、たしかにフランス語だとauto-translationという言い方で通っているようです。
『翻訳――その歴史・理論・展望』を書いたミカエル・ウスティノフも、Julien Green, Samuel Beckett, Vladimir Nabokov : Bilinguisme d'écrit et auto-traductionという題名の本を書いています。
- 作者: ミカエル・ウスティノフ,服部雄一郎
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