今年刊行した出版物は
〈著書・訳書部門〉
1
(戸塚学共編)『教科書の中の世界文学ーー消えた作品・残った作品25選』三省堂
戦後の国語教科書に掲載された外国文学作品を25人27作品セレクトし、年代逆順にならべました。解説、コラムも充実させました。
2
(柳田麻里共訳)ジョージ・ソーンダーズ『ソーンダーズ先生の小説教室 ロシア文学に学ぶ書くこと、読むこと、生きること』フィルムアート社
現代アメリカ文学を代表する作家ジョージ・ソーンダーズによる、ロシア文学を範にした創作講座。ソーンダーズ先生の創作論だけでなく、ロシア文学の短編七編も訳しおろしの新訳で。
3
(今井亮一・落合一樹・高橋知之共訳)フランコ・モレッティ『遠読 新装版 <世界文学システム>への挑戦[新装版]』みすず書房
2016年に刊行して、2020年ぐらいから品切れになってしまっていた、フランコ・モレッティによるデジタル・ヒューマニティーズの元祖が新装版で復刊。お値段据え置き。旧版の誤植・誤字をあらためました。
4
今橋映子・井上健監修・編『比較文学比較文化ハンドブック』東京大学出版会
最新の比較文学の入門書に、「世界文学」ほかいくつか項目を寄稿しました。
<雑誌論文・翻訳部門>
1
ジャスティン・ジャメール「ポール・オースターの思い出とアメリカにおける彼の著作の評判について少々」
『ユリイカ』のポール・オースター追悼号に翻訳で参加しました。
オースターの秘書をしていた友人の詩人、ジャスティンに書いてもらうことができました。『ユリイカ』編集部の寛大さにも感謝です。
2
ホイト・ロング「機械翻訳とともに生きることを学んで」『思想』2024年6月号
こちらは昨年共訳した『数の値打ち――グローバル情報化時代に日本文学を読む』の著者、ホイト・ロングの最新の論考を訳出する機会を『思想』にいただきました。
3
「戦争教材としてのティム・オブライエン「待ち伏せ」 ――あるいは翻訳小説の効用」
『国際文学館ジャーナル』第二号
こちらは『教科書の中の世界文学』の副産物的な論文。「待ち伏せ」はなぜ国語教科書に採用され続けているのか、戦争教材の歴史をひもときました。
https://waseda.repo.nii.ac.jp/records/2001602
4
論考「国語教科書とポー」『ポー研究』第16号
こちらも『教科書の中の世界文学』の副産物その②。2023年9月に日本ポー学会でおこなった講演の活字化です。
<WEB部門>
1
「なぜ日本の「国語の教科書」に外国文学作品が載っているのか?」Webアステイオン
webアステイオンからの依頼で書き下ろした原稿。『教科書の中の世界文学』の副産物その③になります。
2
ミハイル・シーシキン「ナボコフのインクの染み」
ロシアのウクライナ全面侵攻開始の2周年に合わせて公開した短編の翻訳。
シーシキンさんにメールをして許可をいただきました。感謝です。
yakusunohawatashi.hatenablog.com
あとは書評が何本かあります。
刊行物以外では昨年に引き続き本屋のイベント(B&Bさん)に登壇させてもらったりもしました。国際シンポジウムにも登壇したりなどなど。
来年の予定は年明けにアップしたいと思います。
みなさん、よいお年をお迎えください。