訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『ナボコフの塊ーーエッセイ集1921-1975』作品社⑥:見本できました。

ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフの塊――エッセイ集1921―1975』(作品社)も見本できました。 7月4日取次搬入、7月6日ごろから書店にならぶ予定です。 クリーム色の表紙に、タイトル部分黒、英題が銀色の箔押しになっております。 恒例差し込み付録「ナボコ…

Brian Boyd, Marijeta Bozovic ed., Nabokov Upside Down. Evanston: Northwestern Univ Press. 2017

寄稿した、来年刊行予定の本の書影がamazonに出ていました。 こちらはオークランド大学でおこなわれた国際学会をもとにした論集で、ジェネラル・エディターはブライアン・ボイドです。 オークランドの街はよくもわるくも文化的猥雑さがない感じでしたね…… オ…

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房⑦:訳者あとがきが(ほぼ)読めます

現在、発売中のフランコ・モレッティ『遠読』ですが、「訳者あとがき」が(ほぼ)読めるようになっています。 amazonのサイトからはいって、「なか見!検索!」で読むことができます。 11000字、15頁の「訳者あとがき」のうち、12頁、8000字ぐらいが読めるよ…

ナボコフの値段④ レア本編②

前回はナボコフのinscribed copyの値段の話――グレアム・グリーンあての『ロリータ』の価格――をしました。 ナボコフのinscribed copyの価格を語る上で欠かせないのが、1999年にグレン・ホロヴィッツ・ブックセラーが頒布したカタログ『ヴェラの蝶』です。 199…

『ナボコフの塊ーーエッセイ集1921-1975』作品社⑤:目次解説

今週の火曜日に作品社に出張して念校を4、5時間見てなんとか水曜に戻せるようにしました。その結果?、発売日が7月6日?に決まりました。 当初、300頁ぐらいでおさめるように、と言われていたのですが、総ページ数448頁?と大幅に膨れあがってしまいました…

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房⑥:図一部紹介

モレッティ『遠読』ですが、どういった内容なのか、紹介文だけからではなかなか伝わらない部分も大きいと思います。 背の帯には「21世紀の文学研究」と書いてありますが、一体どの辺が新しいのか? それを端的にわかってもらうには、実は文章ではなく、図を…

公開講座「ウラジーミル・ナボコフの人生と文学」

きたる6月25日、本務校にて一般向け公開講座をおこないます。 開催演題 「ウラジーミル・ナボコフの人生と文学」 開催日時 平成28年6月25日(土)14:00から1時間30分程度 開催場所 日本大学大学院総合社会情報研究科(日本大学本部所沢校舎) 詳細はこちら。…

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房⑤:訂正

おかげさまで共訳書が刊行になりました(今井亮一、落合一樹、高橋知之との共訳)。 (ただし青山ブックセンター表参道店に発売日の11日行ったところ、おいていませんでした……) 誤植、誤訳の訂正があればこの日付のブログに順次アップしていく予定です。 77…

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房④:書影、紹介エッセイ

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』は明日11日発売です。東京の大型書店ではすでに店頭に並んでいるのではないか、と思います。 共訳者の今井さんが、みすず書房の特設ウェブサイトにエッセイを寄稿してくれました。 www.msz.co.jp…

ナボコフの値段③ レア本編①

①書簡編、②原稿編もどうぞ。 著者が献辞を書いて、知人に送った自著――inscribed copy――のジャンルで、もっとも有名なナボコフ本ははっきりしています。 リック・ゲコスキー『トールキンのガウン―稀覯本ディーラーが明かす、稀な本、稀な人々』(高宮利行訳、…

ナボコフの値段② 原稿編

前回の内容(①書簡編)はこちら。 2回目は原稿の値段です。 原稿にかんしては多くが図書館などの機関に流れていて、一般に販売されるケースはまれです。 前回言及したグレン・ホロヴィッツ・ブックセラーは、戯曲『モルン氏の悲劇』の原稿を販売しているよう…

ウラジーミル・ナボコフ『見てごらん道化師を!』メドロック皆尾麻弥訳、後藤篤注、作品社、2016年

訳者のメドロック皆尾さんと注担当の後藤さんのお二人からご恵贈いただきました。 (表紙のデザインも実際に手に取ってみると、赤がシックで画像よりも素敵だと思いました。) 旧訳を出版していた出版社が現行ないことを考えると、 ある意味では自然な新訳で…

「書き直し」としての自己翻訳――ノーベル文学賞候補西脇順三郎の「神話」

論文を寄稿しました。 「「書き直し」としての自己翻訳――ノーベル文学賞候補西脇順三郎の「神話」」『アウリオン叢書16 芸術におけるリライト』弘学社、2016年、103-124頁。 昨年、白百合女子大学大学院の「書き直し、リライト」がテーマのオムニバス講義に…

ナボコフの値段① 書簡編

今回は文字通りナボコフの「値段」の話です。 ナボコフの場合、原稿はまれですが、サイン本、手紙なんかは 現在でも市場にでることがあります。 そもそもナボコフは「高く売られる」作家でした。 サイモン・ガーフィールド『手紙 その消えゆく世界をたどる旅…

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房③(追記あり)

①はこちら、②はこちら。 サブタイトルが「<世界文学システム>への挑戦」に決まりました。 価格が当初の4500円から4600円(税抜き)になってしまったのですが、 なぜか現在、Amazonでは100円引きの4500円で予約できています。 カバー画像がみすず書房のサイ…