訳すのは「私」ブログ

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フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房⑥:図一部紹介

モレッティ『遠読』ですが、どういった内容なのか、紹介文だけからではなかなか伝わらない部分も大きいと思います。

 

背の帯には「21世紀の文学研究」と書いてありますが、一体どの辺が新しいのか?

 

それを端的にわかってもらうには、実は文章ではなく、図を見ていただくのが一番かもしれません。百聞(文)は一見に如かず、ということで、本書からいくつか図を引用してみました。

 

①「文学の屠場」より、「なぜホームズ作品だけが同時代の多くの犯罪小説のなかで生き残ったのか?」を、「手がかり」やその可視性によって分類した図。

 

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②「プラネット・ハリウッド」より、ハリウッド映画の世界各地での興行収入を地図上に図示したもの。

 

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③「スタイル株式会社」より、18世紀―19世紀の英国小説のタイトルの長さ(語数)を計測したもの。

 

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④「ネットワーク理論、プロット分析」より、『ハムレット』における登場人物の関係を、「作中で会話があったかどうか」で図式化したもの。

 

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うーん、こういう図を出発点にして、いったいどんな分析がおこなわれるのか?

……それは本書を読んでのお楽しみ、ということで。