モレッティ『遠読』ですが、どういった内容なのか、紹介文だけからではなかなか伝わらない部分も大きいと思います。
背の帯には「21世紀の文学研究」と書いてありますが、一体どの辺が新しいのか?
それを端的にわかってもらうには、実は文章ではなく、図を見ていただくのが一番かもしれません。百聞(文)は一見に如かず、ということで、本書からいくつか図を引用してみました。
①「文学の屠場」より、「なぜホームズ作品だけが同時代の多くの犯罪小説のなかで生き残ったのか?」を、「手がかり」やその可視性によって分類した図。
②「プラネット・ハリウッド」より、ハリウッド映画の世界各地での興行収入を地図上に図示したもの。
③「スタイル株式会社」より、18世紀―19世紀の英国小説のタイトルの長さ(語数)を計測したもの。
④「ネットワーク理論、プロット分析」より、『ハムレット』における登場人物の関係を、「作中で会話があったかどうか」で図式化したもの。
うーん、こういう図を出発点にして、いったいどんな分析がおこなわれるのか?
……それは本書を読んでのお楽しみ、ということで。