訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

書いたもの

白水社編集部編『外国語を届ける書店』(白水社)

白水社編集部編『外国語を届ける書店』(白水社)の書評を書かせていただきました。 『北羽新報』11月23日、『北日本新聞』11月23日、『陸奥新報』11月23日 『京都新聞』12月14日、『中国新聞』12月15日、『島根日日新聞』12月8日 白水社らしい「その他の外…

アンケートに答えました(『jem』創刊号)。

告知が遅くて申し訳ないですが、文フリで販売された文芸誌『jem』創刊号で以下の二点のアンケートに回答させていただいております。 史上初・大アンケート「記号に恋して あなたの大好きなルビを教えてください!」 緊急アンケート「実装しない、する あなた…

【書評】ナボコフ・コレクション全五冊(新潮社)

「既成概念の枠を広げ新しい読者層を開拓する野心的な試み ナボコフ・コレクション全五冊(新潮社)」『週刊読書人』2017年12月8日。 作家ウラジーミル・ナボコフの没後四十周年を祝うかのように、二〇一七年一〇月、若島正・沼野充義監修による「ナボコフ・…

【書評】コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』(鴻巣友季子・竹内要江・木下眞穂・ラッシャー貴子・手嶋由美子・井口富美子訳、左右社)

『日本経済新聞』5月23日 コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』(鴻巣友季子・竹内要江・木下眞穂・ラッシャー貴子・手嶋由美子・井口富美子訳、左右社) メリアム=ウェブスター社と言えば、米国を代表する辞書の老舗として知…

【書評】佐藤=ロスベアグ・ナナ『学問としての翻訳』みすず書房

『図書新聞』3454号、2020年7月4日。 佐藤=ロスベアグ・ナナ『学問としての翻訳』みすず書房 現在、ロンドン大学で翻訳研究【トランスレーション・スタディーズ】を講じる著者が、たまたま手にとったという雑誌――『季刊翻訳』(1973―75)――と、『翻訳の世界…

【書評】モーシン・ハミッド『西への出口』(藤井光訳、新潮社)

『日経新聞』2020年2月15日号 モーシン・ハミッド『西への出口』(藤井光訳、新潮社) 殆どの読者にとって移民とは、新聞やテレビニュースの中の出来事だろう。同情はすれど、自分がそうなるとは想像だにしない。 パキスタン出身の英語作家モーシン・ハミッ…

【書評】ノラ・イクステナ『ソビエト・ミルク――ラトヴィア母娘の記憶』(黒沢歩訳、新評論)

『日経新聞』2019年12月7日 ノラ・イクステナ『ソビエト・ミルク――ラトヴィア母娘の記憶』(黒沢歩訳、新評論) 本作は、バルト三国の一国、ラトビアで刊行されてベストセラーになった。ラトビアは長年にわたって大国に翻弄されてきた。第一次大戦中に悲願の…

【書評】鴻巣友希子『謎とき『風と共に去りぬ』―― 矛盾と葛藤にみちた世界文学』新潮社

『静岡新聞』 二〇一九年五月二六日ほか 鴻巣友希子『謎とき『風と共に去りぬ』―― 矛盾と葛藤にみちた世界文学』新潮選書 テキサスのある文学博物館で、『風と共に去りぬ』の展示を見たとき、ツアーの参加者がみな『風と共に去りぬ』の熱烈な愛読者で、三回…

【書評】ベン・ブラット『数字が明かす小説の秘密 スティーヴン・キング、J・K・ローリングからナボコフまで』坪野圭介訳、DU BOOKS

『北日本新聞』二〇一八年八月一二日ほか ベン・ブラット『数字が明かす小説の秘密 スティーヴン・キング、J・K・ローリングからナボコフまで』坪野圭介訳、DU BOOKS AIによる小説の執筆の可能性も議論される昨今、小説を読む上でもコンピュータを用いた試み…

【書評】橋本陽介『ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで』角川書店

『琉球新聞』二〇一八年一〇月一四日ほか 橋本陽介『ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで』角川書店 本書の「はじめに」で著者はノーベル文学賞作家の作品が「読まれていない」と言う。日本でも外国文学研究者が紹介や翻訳に尽…

【書評】ジョン・ネイスン『ニッポン放浪記――ジョン・ネイスン回想録』前沢浩子訳、岩波書店

『河北新報』2018年1月21日号ほか 翻訳こそ世界文学の絆 本回想記の著者は、日本では三島由紀夫の評伝の作者として知られている。六〇年代、ノーベル文学賞の野心を抱いた三島の知遇を得たネイスンは、『午後の曳航』を英訳する。しかし、次に訳したのは大江…

【書評】村上春樹『一人称単数』文藝春秋

『読売新聞』二〇二〇年八月一日夕刊 村上春樹『一人称単数』文藝春秋 不思議なタイトルの短編集だ。実際、本書に収録された短編はどれも――「ぼく」や「私」のちがいはあるが――「一人称単数」で書かれている。そして語り手自身も、生まれ育ちから趣味、職業…

【書評】ザミャーチン『われら』小笠原豊樹訳、集英社文庫

媒体に掲載されて十分時間が経過したと思われる書評は(単行本に未収録のもの、レポジトリに未収録のもの)、こちらで公開してみることにしました。 集英社のPR誌の『青春と読書』2月号(65頁)に寄稿したザミャーチン『われら』(小笠原豊樹訳、集英社文庫)…

「国語教科書とポー」『ポー研究』第一六号、八五―一〇四頁。

『ポー研究』第16号に拙稿「国語教科書とポー」が掲載されました。2023年に日本ポー協会でおこなった講演で、戦後の検定国語教科書に掲載されていたホーソーン、ポーの作品が、なぜ一時期は定番教材だったのかを論じています。 「国語教科書とポー」『ポー研…

今橋映子・井上健編『比較文学比較文化ハンドブック』東京大学出版会

寄稿した今橋映子・井上健編『比較文学比較文化ハンドブック』(東京大学出版会)が刊行されます。 私は「世界文学」4頁と、そのほか小項目を担当しています。 www.utp.or.jp なお、以下の特設ページから本体を補完する情報にアクセスできます。 www.todai-h…

なぜ日本の「国語の教科書」に外国文学作品が載っているのか?

「なぜ日本の「国語の教科書」に外国文学作品が載っているのか?」という記事を WEBアステイオンに寄稿しました。 www.newsweekjapan.jp 『教科書の中の世界文学 消えた作品・残った作品25選』の「書評エッセイ」になります。↓こちらもぜひよろしくお願いい…

自分の論文のアクセス数を見てみる

私の書いてきた論文(やそれに準ずる刊行物)にはオープンアクセスになっているものがあります。そういったもののヴュー/ダウンロード数はどれくらいなんでしょうか? 調べてみました。大学のレポジトリに収録されているものなので、主に紀要論文になります…

片岡真伊『日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題』(中公選書)

片岡真伊『日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題』(中公選書)について書評を書かせていただきました。 谷崎や川端の英訳の生成過程をアーカイヴ調査によって解明し、東西の小説概念の違いについて考察する意欲的な内容です。 時事通信社を通じていくつか…

秋草俊一郎・戸塚学編『教科書の中の世界文学――消えた作品・残った作品25選』三省堂

共編著が刊行されました。 秋草俊一郎・戸塚学編『教科書の中の世界文学――消えた作品・残った作品25選』三省堂 戦後、中高の国語教科書に掲載された「外国文学」作品から25人27作品を厳選し、時代をさかのぼるかたちで並べました。 50年代、60年代…

(書評)ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』(千野栄一訳、集英社文庫)

遅報ですが2023年10月15日(日)の『日本経済新聞』の「名作コンシェルジュ」のコーナーに寄稿しております。

「日本文学 語彙データで読む」『読売新聞』9月16日夕刊

9月16日の『読売新聞』夕刊に「日本文学 語彙データで読む」と題した、 共訳書『数の値打ち--グローバル情報化時代に日本文学を読む』(フィルムアート社)の紹介を寄稿しています。

「「遠読」以後――デジタルヒューマニティーズと文学研究」

共訳書ホイト・ロング『数の値打ち――グローバル情報化時代に日本文学を読む』(フィルムアート社)刊行直前ということで、 『UP』2017年2月号に掲載した「「遠読」以後――デジタルヒューマニティーズと文学研究」という文章を公開します。 「遠読」以後――デジ…

『文庫で読む100年の文学』中公文庫

『文庫で読む100年の文学』(中公文庫)のウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』の紹介を寄稿しています。 よろしければご覧ください。

「コンピュータは小説を書いているか?」(※『すばる』2017年6月号掲載)

『すばる』2017年6月号に寄稿した「コンピュータは小説を書いているか?」という文章を公開します。 コンピュータは小説を書いているか? 1、人工知能の時代 もはやこうした言い方も陳腐になりつつあるが、人工知能について注目すべき出来事がたてつづけに…

「独裁者は世界文学の夢を見るか――エヴゲーニー・チジョフ『下訳からの翻訳』とポストソヴィエト的翻訳ポリティクス」

立命館大学の紀要『言語文化研究』34巻2号に論文「独裁者は世界文学の夢を見るか――エヴゲーニー・チジョフ『下訳からの翻訳』とポストソヴィエト的翻訳ポリティクス」を寄稿しました。 「独裁者は世界文学の夢を見るか――エヴゲーニー・チジョフ『下訳からの…

「「その他」の文学」『Brutus』2023年 1月15日号 No.976

『Brutus』2023年 1月15日号 No.976の特集「それでも本を読む理由。」に「「その他」の文学」というテーマで短いインタヴュー記事が掲載されています(63頁)。 紹介したのは オルハン・パムク『赤い髪の女』(宮下遼訳、早川書房) カメル・ダーウド『もう…

書評アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』(工藤順・石井優貴訳、作品社)

アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』(工藤順・石井優貴訳、作品社)の書評を『週刊 読書人』に書きました。 jinnet.dokushojin.com

ポスト・ソヴィエト文学研究会(編)『現代ロシア文学入門』東洋書店新社

以下の本に寄稿しました。 ポスト・ソヴィエト文学研究会(編)『現代ロシア文学入門』東洋書店新社 といっても私はほんの半頁「亡命」の項目を執筆したにすぎませんが。 とはいえ、内容は非常に充実しており、 特に前半の同時代ロシア文学のアンソロジー(…

「「世界文学全集」消滅の訳――「3000万読者」は誰だったのか」『中央公論』2022年8月号

現在発売中の『中央公論』2022年8月号に「「世界文学全集」消滅の訳――「3000万読者」は誰だったのか」という記事を書かせていただきました(168-173頁)。 拙著『「世界文学」はつくられる』の第一部の内容に手を加えて、 「世界文学全集」がなぜ栄え、なぜ…

中村唯史・坂庭淳史・小椋彩編著『ロシア文学からの旅――交錯する人と言葉』ミネルヴァ書房

中村唯史・坂庭淳史・小椋彩編著『ロシア文学からの旅――交錯する人と言葉』ミネルヴァ書房 ミネルヴァ書房の各国別文学入門のシリーズです。 https://www.minervashobo.co.jp/book/b603558.html 私は「ロシア文学とアメリカ文学」の項目を担当しました(pp.2…