訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

NYC

Nabokov@New York City19, Hotel Chelsea

久々のシリーズ更新になります。今回はホテル・チェルシーです。 住所は222 W 23rd Stです。 アーサー・C・クラークが『2001年宇宙の旅』を書くなど、 文学者が多く滞在したホテル。 訪れたときには回送中で中には入れませんでしたが、入り口には滞在した文…

Nabokov@New York City18, 250 W 104 St, app. 43, August 1954

1954年8月、ニューメキシコに旅行に来ていたナボコフ、ヴェラ、ドミトリイですが、借りていたロッジの貯水槽で動物が死んでおり、ヴェラが感染症になってしまいます。 On Tuesday, August 10, she [Vera] was driven to a doctor in Alburquerque. His diagn…

Nabokov@New York City17 38 West 89th Street, September 5- 1943

1943年、ナボコフ一家は夏を一家でニューディレクションズ社の社主ジェイムズ・ロフリンの経営するユタ州のアルタ・ロッジで過ごしました。新学期のためケンブリッジに帰る途中、列車での旅だったようですが、どうもニューヨークに立ち寄ったようです。 アメ…

Nabokov@New York City16, Master Institute Theater, December 8 1951

ナボコフは1951年12月8日にもニューヨークでロシア語朗読会をおこなっています。 Early in December they jouneyed to New York, where on December 8 the Russian emigre community staged a Nabokov reading at the Master Institute Theater. Nabokov spe…

Nabokov@New York City15, Academy Hall, 314 West 91 Street, May 7 1949

1949年5月、ナボコフはすでにケンブリッジからイサカに引っ越していましたが、ニューヨークでロシア語朗読会をおこないました。 当時の招待状は以下のようなものだったといいます。 相互扶助「希望」協会 ご招待 V・V・シーリンによる朗読会 「「詩と解説…

Nabokov@New York City14 Artist Club, 121 West 54 Street, November 10 1940

ナボコフのアメリカ到着直後の1940年におこなわれた二回目のニューヨーク朗読会は11月10日におこなわれました。また、現地紙『新しいロシアのことば』は予告を載せました。 121ウェスト54番街のアーティスト・クラブにて、明日の夜八時より、V・V・シーリ…

Nabokov@New York City13 Hamilton Grange branch of the New York Public Library, October 12 1940

前々回、朗読会の場所について紹介したので、いくつかニューヨークでおこなわれたほかの朗読会の場所を紹介しましょう。 はじめに、記録にあるアメリカ最初の朗読会の話です。 1940年5月にニューヨークに到着したナボコフは、その年にいくつかニューヨークで…

Nabokov@New York City12 Rockfeller Centor studios, 26 November 1958

1958年10月につづいて、ナボコフ夫妻は11月にもニューヨークをたずねます。今回のニューヨーク滞在は、初のTV出演であるCBCのインタヴューの収録がロックフェラーセンターであったのです。 She felt differently about his first televison appearance, a …

Nabokov@New York City11 Waldorf Astoria New York, October 1958

久しぶりにNabokov@New York Cityの更新です。 1958年8月、アメリカ版『ロリータ』が パットナム社より刊行されると、ナボコフの周囲はにわかにあわただしくなっていきます。 10月、ナボコフ夫妻は2週間ほどニューヨーク・シティを訪れることになりました。…

Nabokov@New York City10 304 West 75 Street

新しくわかったNYCでの滞在先を記しておきます。 亡命ロシア人で、編集者・ビジネスマンのロマン・グリンベルグのアパートにたびたび滞在していたようです。名前からしてユダヤ系でしょうね。 ロマン・グリンベルグ(1893-1970)がナボコフと知り合った…

Nabokov@New York City9 American Museum of Natural History

3年ぶりぐらいのシリーズです。 1940年代、ケンブリッジ・ボストン近郊に住んで、蝶についての調査をMCZで始めていたころのナボコフが、たびたび訪問したのがニューヨークのAmerican Museum of Natural History(アメリカ自然史博物館)です。 77番街―81…

Nabokov@New York City: Index

まだ移動の途中で立ち寄ったり、詳細不明な滞在先をふくめればNYCに宿泊したこともたびたびあるかと思いますが、とりあえずまとめます。 ①32 East 61st Street ②1326 Madison Avenue ③35 West 87th Street ④304 West 75 Street ⑤Hotel Windermere, 666 We…

Nabokov@New York City8 Hampshire House, March-April 1964

1964年3月にナボコフはやっと出版にこぎつけた『エヴゲーニイ・オネーギン』訳注の プロモーションのためにニューヨークを訪れました。 Late in 1963, Nabokov had agreed to come to New York for the launching of Eugene Onegin. He and Vera set off fro…

Nabokov@New York City7 St. Regis Hotel, 2 East 55th Street, at Fifth Avenue, 24-27 Febrary 1960, 5-20 June, 1962

1962年6月にナボコフはふたたびニューヨークを訪れました。 Nabokov disembarked on June 5 and stayed at the St. Regis Hotel on Fifth Avenue for two "very busy, very amusing, very tiring" weeks in New York, starting with a solid bank of intervi…

Nabokov@New York City 6 Hotel Hampshire House (room 503), 150 Central Park S 1960, October 15-November 2, 1960

1960年、ナボコフは再度アメリカに戻って来ました。スタンリー・キューブリック監督の『ロリータ』の脚本を書き下ろすためです。 西海岸で脚本を執筆した後、NYCにやってきたさいに宿泊したのがHotel Hampshire Houseの503号室でした。 ここは本当にセン…

Nabokov@New York City5: Park Crescent Hotel, 87th and Riverside Drive, early September-29 September, 1959

その後、カリフォルニアに行ったあと、秋になってまたNYに戻ってきたナボコフ夫妻が投宿したホテルが、 Park Crescent Hotelでした。 They reached New York at the begging of September, and stopped at Manhattan's park Crescent Hotel, at 87th Stree…

Nabokov@New York City4: Hotel Windermere, 666 West End Avenue February 26-April 18 1959

ナボコフがつぎにNYCを訪れたのは(?)、『ロリータ』がヒットしてコーネル大学をやめた直後、 1959年のあたまのことでした。 Reaching Manhattan the next day, they moved into a pleasant apartment in the Windermere Hotel. Over the next six week…

Nabokov@New York City3: 35 West 87th Street, mid-September 1940

どんどん続きます。 After a week back at 1326 Madison Avenue, the Nabokovs moved in mid-September into a brownstone at 35 West 87th Street, "a dreadful little flat," small and uncomfortable but cheap and close to Central Park. AY17 ここが現…

Nabokov@New York City2: 1326 Madison Avenue, June 10- 1940

32 East 61st Streetのアパートに住んでいたナボコフ一家ですが、6月10日から1326 Madison Avenueに安価なサブレットを発見して移りました。 このアパートの持ち主のLehovich夫人のおばのPanin伯爵夫人は、偶然にも1917年にクリミアでナボコフ一家に避難先を…

Nabokov@New York City1 32 East 61st Street May 26- 1940

さて、1940年5月26日にアメリカについたナボコフは、ナボコフのいとこにして作曲家(1933年から米国に滞在していました)ニコライ・ナボコフ(1903-1978)の前妻のナタリヤ・ナボコフのアパートメントに滞在しました。 They had take a taxi [. . . ] to Natal…

Nabokov@New York City0

1940年春、ナボコフ一家は戦火につつまれたヨーロッパを去り、サン=ナゼールから客船「シャンプラン」号に乗ってニューヨーク入りしました。 ナボコフがアメリカについたのは長らく1940年5月28日とされていました。 これはナボコフの伝記の定番とされている…