訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

2015-01-01から1年間の記事一覧

ロシア文学と共に30年—群像社 島田進矢氏に聞く

Nippon.comのサイトに記事を寄稿させていただきました。 群像社の社長、島田進矢さんにインタヴューしてきました。 ロシア文学と共に30年—群像社 島田進矢氏に聞く 問題のアレクシエーヴィチの件についても触れています。 年末、よろしければご一読ください…

フランコ・モレッティ『遠読(仮)』みすず書房①

もう一件、来年の出版予定について告知しておきます。 『ナボコフの塊(仮)』(作品社より刊行予定)と並行して目下すすめている翻訳(共訳)が、フランコ・モレッティ『遠読(仮)』(みすず書房より刊行予定)になります。 フランコ・モレッティはスタン…

ナボコフの塊(仮)④:目次ほぼ決定

ナボコフのエッセイ集(仮題:『ナボコフの塊』)の作業がぼちぼちすすんでいまして、 目次がだいたい固まったので先んじて公開します。 各タイトル、章立て、収録順などすべて仮のものですが、コンポーネント自体は動かないものと思われます。 ロシア語19編…

ジャン=ミシェル・ヴィスメール『ハイジ神話――世界を征服した「アルプスの少女」』川島隆訳、晃洋書房、2015年

訳者の川島先生からご恵投いただきました。 ジャン=ミシェル・ヴィスメール『ハイジ神話――世界を征服した「アルプスの少女」』川島隆訳、晃洋書房、2015年 以前もハイジ関連の研究書を訳出されていました。 最近では集英社のポケットマスターピースシリ…

ダニーラ・ダヴィドフ「望遠鏡」(『早稲田文学 2015年冬号』)

『早稲田文学』に短編小説の翻訳が掲載されました。 ダニーラ・ダヴィドフ「望遠鏡」『早稲田文学 2015年冬号』 12-18頁。 ダニーラ・ダヴィドフは1977年生まれのロシアの作家・詩人で、編集者としても活躍しています。近年は詩人・編集者としての活動が目立…

日本T.S.エリオット協会 第28回大会 シンポジウム「引用するエリオット、引用されるエリオット」

Short noticeですが。 日本T.S.エリオット協会のシンポジウムに呼んでいただきました。 11月7日(土) 愛知学院大学 日進キャンパス 2号館4階 14時30分~17時30分 シンポジウム「引用するエリオット、引用されるエリオット」 リンク先にプログラムがあります…

日本ナボコフ協会秋の研究会のお知らせ

11月21日に京都・佛教大学でおこなわれます。 くわしくはこちら。 発表1本、ワークショップ1つの予定です。 私は別の学会のため残念ながら参加できませんが…。

ナボコフ・エッセイ集③:没エッセイ "Textures of Time"

エッセイ集を編む中で必然的に「これはちょっと無理かな……」というのがでてきます。 もちろん分量的な問題も大きいのですが(全部入れようとすれば、3巻本ぐらいにしないといけない、エッセイの範囲をどこまでにするか微妙だが、蝶についての論文だけでもゆ…

「「日本文学はどれぐらい世界文学なのかという問い」と、「世界文学はどれぐらい日本文学なのかという問い」について」in『越境する世界文学』

今年1月に呼んでいただいた「熊大文学フォーラム」の成果報告書がでました。 「「日本文学はどれぐらい世界文学なのかという問い」と、「世界文学はどれぐらい日本文学なのかという問い」について」井上暁子編『越境する世界文学』熊本大学文学部、2015年、2…

『賜物』続編騒動

遅報ですが、ナボコフの長編『賜物』の続編(第二部)が出版されました。 ナボコフ最大・最後のロシア語長編『賜物』に続編が存在することは以前から知られていましたが、ほぼ構想段階の断片であることから、いままで刊行されたことはありませんでした。 と…

水野的『同時通訳の理論――認知的制約と訳出方略』朝日出版社

水野的先生よりご著書をご恵贈いただきました。 水野的『同時通訳の理論――認知的制約と訳出方略』朝日出版社 まず、この膨大な文献リストに目を通すところから勉強したいです。 どうもありがとうございました。

ナボコフ・エッセイ集(仮) ②

前回のエントリの補足です。 ・エッセイ集を(仮)としたのは、収録する作品のほとんどが(少なくとも普通の意味で)「エッセイ」ではないからです。だから、ここだけの話、あんまりタイトルは「エッセイ集」にしたくないのです。 ・ここで言う「エッセイ」…

ナボコフ・エッセイ集(仮) ①

連日、泊まり込みで幕張のICCEESに来ております。 作品社の刊行予定がでたようなので、 こちらで訳者として少しコメント&予告しておきます。 ・予告ではタイトルは『ナボコフ・エッセイ集』となっていますが、これは(仮)のもので、現段階では未定です。 …

早すぎる死の遺産――追悼 ドミトリイ・バーキン

群像社発行の『ロシア文化通信 群 GUN』にドミトリイ・バーキンの追悼文を寄稿しました。 「早すぎる死の遺産――追悼 ドミトリイ・バーキン」『ロシア文化通信 群 GUN』46号、2015年7月、3頁。 バーキンの早すぎる死について、およびバーキンデビュー後…

『週刊読書人』書評(『出身国』)

7月24日発売の『週刊読書人』にドミトリイ・バーキン『出身国』の書評が掲載されました。 中村唯史先生による書評です。どうもありがとうございました。 「バーキンが特に影響を受けていると感じられるのはロベルト・ムージルだ。……特に『三人の女』を想起さ…

国際中欧・東欧研究学会が日本にやってくる

多言語発信サイト「nippon.com」にエッセイを寄稿しました。 国際中欧・東欧研究学会が日本にやってくる (しかし最初「ICCEESがやってくる」にしていたのに、変なタイトルにされてしまいました。前回の原稿もこちらの意をくまない高閲がされていまし…

消えた作家、ドミトリイ・バーキンを追って

ドミトリイ・バーキンの『出身国』を刊行してからわかったことですが、 エージェント・出版社経由で作家バーキンが4月7日に死去していたことがわかりました。 死亡記事(ロシア語) 仕方がないこととはいえ、一時期は数か国語に訳されたのに、 ロシア語のメ…

誤植・ドミトリイ・バーキン『出身国』群像社

p. 86 最初「ほかことも」→「ほかのことも」 出身国 (群像社ライブラリー)作者: ドミトリイバーキン,秋草俊一郎出版社/メーカー: 群像社発売日: 2015/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る

ドミトリイ・バーキン『出身国』群像社

ドミトリイ・バーキンの短編集『出身国』が刊行されました。 物語の中心にいるのは、肉体的にも精神的にも損なわれた男たち。極度の虚栄心、被害妄想、度し難い破壊衝動、金銭への病的な執着、信頼の欠如からくる孤立、肥大したエゴからくる傲慢、独我論的世…

カノンを輸入する――『ハーヴァード・クラシックス』と円本全集

論文が掲載されました。 「カノンを輸入する――『ハーヴァード・クラシックス』と円本全集」『比較文学』57巻、2015年、51-65頁。 『比較文学』は自著への書評などを載せてくれていたのですが、 論文を載せたことはなかったので、今回採用してもらったのはよ…

書評「河野至恩『世界の読者に伝えるということ』(講談社現代新書、二〇一四年)」

書評を書かせていただきました。 河野至恩『世界の読者に伝えるということ』(講談社現代新書、二〇一四年)『比較文学』第57巻、2015年、172-173頁。 世界の読者に伝えるということ (講談社現代新書)作者: 河野至恩出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/04/…

ある夏の日の報告―IWLに参加して

オンラインジャーナルの『翻訳研究への招待』に寄稿しました*1。 「ある夏の日の報告」『翻訳研究への招待』13号、2015年。 今回は論文ではなく、「報告」というくくりになっていることからもわかるように、エッセイ的な内容になっております(これも『UP…

移民作家アーニャ・ユーリニッチの復帰

多言語発信サイト「nippon.com」にエッセイを寄稿しました。 移民作家アーニャ・ユーリニッチの復帰 ユダヤ系ロシア人の移民作家、アーニャ・ユーリニッチ(1973‐)が昨年ひさびさに出版した新作(なんとグラフィック・ノベル)について書いております。 Len…

2015年度日本ナボコフ協会大会のお知らせ

2015年度の日本ナボコフ協会の大会が6月16日(土)におこなわれます。 くわしくはこちら。 参加無料・一般歓迎ですので、お誘いあわせのうえ、ぜひご来場ください。 私も「ナボコフとロフリン」で発表する予定(14時5分〜) 要旨はこちら(私の要旨は要旨で…

宮田眞治、畠山寛、濱中春編『ドイツ文化55のキーワード』ミネルヴァ書房

プロジェクト人魚の共同研究者の中丸禎子さんから、共著書をいただきました。宮田眞治、畠山寛、濱中春編『ドイツ文化55のキーワード』ミネルヴァ書房中丸さんは「クリスマスと復活祭」、「エコロジー」の章を執筆されています。中丸さん、どうもありがとう…

21世紀 世界文学カノンのゆくえ まとめ

東京大学出版会のPR誌『UP』で1年間にわたって隔月連載をさせていただいた「21世紀 世界文学カノンのゆくえ」完結記念ということで、まとめてみました。 「21世紀 世界文学カノンのゆくえ① はじめに『ハーヴァード・クラシックス』ありき」『UP』2014…

「21世紀 世界文学カノンのゆくえ⑥ 世界文学カノンはどこからきてどこにいくのか」

東京大学出版会の発行する雑誌『UP』に文章を寄稿しました。「21世紀 世界文学カノンのゆくえ⑥ 世界文学カノンはどこからきてどこにいくのか」『UP』2015年4月号、24−33頁。隔月連載「21世紀 世界文学カノンのゆくえ」の第6回目にして最終回になります。…

"The Man Stopped"--Nabokov's "the last complete unpublished short story"

Harper'sの2015年3月号に「ナボコフの失われた短編」が出ていました。 "The Man Stopped"というタイトルの短編です。 原文はロシア語で、1926年夏に書かれたらしいですが、未刊行に終わったものです。 ニューヨーク公共図書館のバーグコレクションに収蔵され…

自己翻訳者の不可視性――その多様な問題(2012)

以前、書いた論文がJAITSのサイトからフリーでダウンロードできるようになりました。 前に書いた論文の紹介はこちら。 「自己翻訳者の不可視性――その多様な問題」『通訳翻訳研究』12号、2012年、155−174頁。 http://d.hatena.ne.jp/yakusunohawatashi/2…

Revisiting Nabokov's The Defense as a Moral Game: What Made Luzhin Commit Suicide?

論文が掲載されました。 "Revisiting Nabokov's The Defense as a Moral Game: What Made Luzhin Commit Suicide?" Nabokov Online Journal, Vol.8 2015 注1から抜粋。 This paper has been translated and thoroughly revised by the author; an earlier J…