訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

2016-01-01から1年間の記事一覧

レイナルド・アレナス『襲撃』山辺弦訳、水声社

訳者の山辺弦さんから訳書をご恵投いただきました。 どうもありがとうございます。 本書はシリーズ「フィクションのエル・ドラード」の一冊として刊行されているようです。水声社のページで今後のラインアップも見ることができます。 blog 水声社 » Blog Arc…

文化翻訳入門-日本と世界の文化コミュニケーション-

「JMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)」というオンライン講座で一部授業を担当しています。 gaccoのウェブサイト上から見ることができるようです。 lms.gacco.org 「文化翻訳」をテーマにした複数の教員によるオムニバス講義(一回15分程度)…

北米における「世界文学」教育研究史@ゲーテ自然科学の集い2016/12/4

*終了しました。ありがとうございました。 ゲーテ自然科学の集い 12月東京研究会のお知らせ 皆さま、お待たせしてしまいましたが、12月4日(日)の東京研究会のプログラムが確定しましたので、ぜひお越しください。 今回も特別ゲスト・スピーカーとして、…

ナボコフとエリオット――「ゲーム」から「モラル」へ、「歴史」から「伝記」へ

論文が刊行されました。 「ナボコフとエリオット――「ゲーム」から「モラル」へ、「歴史」から「伝記」へ」『T.S. Eliot Review』27号、2016年、52-68頁。 去年の11月に、日本T.S.エリオット協会で発表させていただいたことをまとめたものです。 yakusunohawa…

Nabokov@New York City10 304 West 75 Street

新しくわかったNYCでの滞在先を記しておきます。 亡命ロシア人で、編集者・ビジネスマンのロマン・グリンベルグのアパートにたびたび滞在していたようです。名前からしてユダヤ系でしょうね。 ロマン・グリンベルグ(1893-1970)がナボコフと知り合った…

日本ナボコフ協会秋の研究会のお知らせ

日本ナボコフ協会秋の研究会が、2016年11月12日(土)、南山大学名古屋キャンパスにておこなわれます。 The Nabokov Society of Japan 今回は研究発表1本、特別講演1本がおこなわれるようです。 (残念ながら、講演とかぶってしまい私は出席できませんが…)

Nabokov@New York City9 American Museum of Natural History

3年ぶりぐらいのシリーズです。 1940年代、ケンブリッジ・ボストン近郊に住んで、蝶についての調査をMCZで始めていたころのナボコフが、たびたび訪問したのがニューヨークのAmerican Museum of Natural History(アメリカ自然史博物館)です。 77番街―81…

講演「北米における「世界文学」教育と日本文学の関係」@北海学園大学2016/11/12

きたる11月12日、日本比較文学会北海道大会にて、「北米における「世界文学」教育と日本文学の関係」と題した講演をおこなわせていただきます。 (内容は要旨と多少変更される予定あります) d.hatena.ne.jp よろしくお願いいたします。 先日の「術語として…

「術語としての「世界文学」――1895-2016――」『文学』2016年9・10月号

岩波書店『文学』の最新号に「術語としての「世界文学」--1895-2016--」という論文を寄稿しました。 「世界文学」というこの何気なく使っている言葉が、どのように入ってきて、時代時代の文脈に合わせて使われてきたのかを追った文章になっております。…

【インタビュー】「〈文学〉は情報化を欲望する―― デジタル・ヒューマニティーズの可能性」

「宇野常寛とPLANETS編集部」 からインタヴューをうけました。 有料になりますが、noteか、ニコニコチャンネルのブロマガのサービスから読めるようです。(さわりのみ無料で読めます) ch.nicovideo.jp note.mu 本の内容や、本が書かれた経緯についてかみく…

ナボコフの値段⑦:その他編

さて、いままで書簡・原稿・レア本など見てきましたが、そのほかにもオークションにはいろいろ変なものがでています。締めくくりに、そういったヘンテコな出品を見てみましょう。ちなみに、ここであげたのはすべて前回のクリスティーズ・オークションの出品…

ナボコフの値段⑥:レア本編④

つづきです。 前回紹介したタヤンのオークションは、ナボコフ関係の二回目にして最後の大規模 オークションとうたわれていました。 しかし、その6年後、2011年6月13日に、クリスティーズの "Fine Printed Books and Manuscripts"でナボコフ関係の大量出品が…

ナボコフの値段⑤:レア本編③

前回からだいぶあいてしまいました。 さらにつづきです。 1999年のホロヴィッツによるカタログによる販売のあと、もっとも大規模な販売が、タヤンがとりしきった、ジュネーヴのホテル・デス・ベルゲスでおこなわれたオークションです。 ここに出展されている…

チャールズ・M・シュルツ、谷川俊太郎、今井亮一、井出幸亮『スヌーピーのひみつ A to Z』新潮社

今井亮一さんから訳書をご恵投いただきました。 『スヌーピーのひみつ A to Z』――書名どおり、スヌーピーにまつわるすべてを AからZまで項目別に編集したものになっています。 漫画だけでなく、写真・図版多数の楽しい本です。 今井さん、どうもありがとう…

沼野充義編、高橋知之編集協力『ドストエフスキー ポケットマスターピース10』集英社文庫ヘリテージシリーズ

高橋知之さんから共訳書をいただきました。 沼野充義編、高橋知之編集協力『ドストエフスキー ポケットマスターピース10』集英社文庫ヘリテージシリーズ 「四大長編の読みどころ」から、詳細な解題や文献一覧、年譜までついていますので、 初心者から専門家…

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房⑧:書評まとめ

ありがたいことに、モレッティ『遠読』の書評をいくつかいただいております。 ほかにも発見次第、このエントリに随時追加していきます。 7月10日 円城塔さん書評(『朝日新聞』) モレッティは本書を、文学の変化とは隣の地域へと新たな形式が広がっていく「…

『ナボコフの塊ーーエッセイ集1921-1975』作品社⑧:正誤表

『ナボコフの塊――エッセイ集1921―1975』のほうも、正誤表をあげておきます。 (まちがいが見つかり次第、順次更新します。) 目次、250頁、401頁 「ピレネー東部とアリエージュ県の鱗翅目についての覚え書き」→「東ピレネー県とアリエージュ県の鱗翅目につい…

野中進・籾内裕子・沼野恭子編『世界のなかの日本文学―ー旧ソ連諸国の文学教育から』

野中進先生より、編著をご恵贈いただきました。どうもありがとうございました。 野中進・籾内裕子・沼野恭子編『世界のなかの日本文学――旧ソ連諸国の文学教育から』(埼玉大学教養学部 リベラルアーツ叢書8)埼玉大学教養学部・人文社会科学研究科、2016年 …

(エッセイ)「どっちが勝つ?」

エッセイを寄稿しました。 「どっちが勝つ?」『文學界』2016年8月号、268-269頁。 とくにナボコフも世界文学も関係ない、普通のエッセイです。 「エセー(随想録)」のコーナーですが、とくに高尚な思想はなく、字義通りのエッセイですね……。 訳書二冊刊行…

『ナボコフの塊ーーエッセイ集1921-1975』作品社⑦:刊行になりました。

編訳した『ナボコフの塊――エッセイ集1921―1975』が本日刊行になりました。 よろしくお願いいたします。 <本商品の特徴> ・日本語完全オリジナル編集 ・ロシア語・英語・フランス語のエッセイをすべて原語より翻訳 ・全39編(ロシア語19編、英語19編、仏語1…

『ナボコフの塊ーーエッセイ集1921-1975』作品社⑥:見本できました。

ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフの塊――エッセイ集1921―1975』(作品社)も見本できました。 7月4日取次搬入、7月6日ごろから書店にならぶ予定です。 クリーム色の表紙に、タイトル部分黒、英題が銀色の箔押しになっております。 恒例差し込み付録「ナボコ…

Brian Boyd, Marijeta Bozovic ed., Nabokov Upside Down. Evanston: Northwestern Univ Press. 2017

寄稿した、来年刊行予定の本の書影がamazonに出ていました。 こちらはオークランド大学でおこなわれた国際学会をもとにした論集で、ジェネラル・エディターはブライアン・ボイドです。 オークランドの街はよくもわるくも文化的猥雑さがない感じでしたね…… オ…

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房⑦:訳者あとがきが(ほぼ)読めます

現在、発売中のフランコ・モレッティ『遠読』ですが、「訳者あとがき」が(ほぼ)読めるようになっています。 amazonのサイトからはいって、「なか見!検索!」で読むことができます。 11000字、15頁の「訳者あとがき」のうち、12頁、8000字ぐらいが読めるよ…

ナボコフの値段④ レア本編②

前回はナボコフのinscribed copyの値段の話――グレアム・グリーンあての『ロリータ』の価格――をしました。 ナボコフのinscribed copyの価格を語る上で欠かせないのが、1999年にグレン・ホロヴィッツ・ブックセラーが頒布したカタログ『ヴェラの蝶』です。 199…

『ナボコフの塊ーーエッセイ集1921-1975』作品社⑤:目次解説

今週の火曜日に作品社に出張して念校を4、5時間見てなんとか水曜に戻せるようにしました。その結果?、発売日が7月6日?に決まりました。 当初、300頁ぐらいでおさめるように、と言われていたのですが、総ページ数448頁?と大幅に膨れあがってしまいました…

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房⑥:図一部紹介

モレッティ『遠読』ですが、どういった内容なのか、紹介文だけからではなかなか伝わらない部分も大きいと思います。 背の帯には「21世紀の文学研究」と書いてありますが、一体どの辺が新しいのか? それを端的にわかってもらうには、実は文章ではなく、図を…

公開講座「ウラジーミル・ナボコフの人生と文学」

きたる6月25日、本務校にて一般向け公開講座をおこないます。 開催演題 「ウラジーミル・ナボコフの人生と文学」 開催日時 平成28年6月25日(土)14:00から1時間30分程度 開催場所 日本大学大学院総合社会情報研究科(日本大学本部所沢校舎) 詳細はこちら。…

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房⑤:訂正

おかげさまで共訳書が刊行になりました(今井亮一、落合一樹、高橋知之との共訳)。 (ただし青山ブックセンター表参道店に発売日の11日行ったところ、おいていませんでした……) 誤植、誤訳の訂正があればこの日付のブログに順次アップしていく予定です。 77…

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房④:書影、紹介エッセイ

フランコ・モレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』は明日11日発売です。東京の大型書店ではすでに店頭に並んでいるのではないか、と思います。 共訳者の今井さんが、みすず書房の特設ウェブサイトにエッセイを寄稿してくれました。 www.msz.co.jp…

ナボコフの値段③ レア本編①

①書簡編、②原稿編もどうぞ。 著者が献辞を書いて、知人に送った自著――inscribed copy――のジャンルで、もっとも有名なナボコフ本ははっきりしています。 リック・ゲコスキー『トールキンのガウン―稀覯本ディーラーが明かす、稀な本、稀な人々』(高宮利行訳、…