訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

頭木弘樹『NHKラジオ深夜便 絶望名言2』飛鳥新社

頭木弘樹さんからご新著を恵投いただきました。

 

NHKラジオ深夜便の「絶望名言」をまとめ、さらに+αしたもの、とのことです。 

 

 

 

頭木さんは私の尊敬する文筆家のひとりで、そのアンソロジーに参加・協力できたのは今年うれしかったことのひとつです。

 

yakusunohawatashi.hatenablog.com

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三冊とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

「問い」をリリースしました(『世界文学アンソロジー いまからはじめる』三省堂)

共編書『世界文学アンソロジー いまからはじめる』(三省堂)に「問い」を実装しました。

  

 

 

 

www.sanseido-publ.co.jp

上の頁の下部にある「発問例集」をクリックしてワードファイルをダウンロードして適宜おつかいください。

 

以下に、各作品を整理して理解し、あるいは深く読んで味わうための「問い」を、散文作品を中心にしめしてみました。もちろん、それぞれの問いは必ずしも一義的に答えが定まるものとはかぎりません。読書会や、授業でつかう場合など、参考にしてください。

 

たとえば、インドの作家プレームチャンドの「わたしの兄さん」の場合だと、

 

プレームチャンド(インド)「私の兄さん」

○作品が書かれた当時のインドの状況について調べてみよう。

○兄弟が勉強させられている内容や科目はなんだろうか。まとめてみよう。

○なぜ、作品のなかで学校の勉強が大事とされているのか、考えてみよう。

○「兄さん」の立場で「私」のような弟が家族にいたらどうだろうか。考えてみよう。

 

のような感じです。本書をさらに楽しむための一助としてもらえればと思います。

 

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沼野充義・望月哲男・池田嘉郎編『ロシア文化事典』丸善出版

 沼野充義・望月哲男・池田嘉郎編『ロシア文化事典』(丸善出版)に記事を寄稿しました。

寄稿したのは二本。

・「ロシア人と外国語」318頁

・「ナボコフ」390-391頁

高い本ですが、手にとる機会があればぜひ。

 

 

 (正誤表)

318頁 『ロリータ』(1995)→『ロリータ』(1955)

2019年度 ナボコフ協会秋の研究会のおしらせ

2019年度 ナボコフ協会秋の研究会のおしらせが12月14日(土)、愛知淑徳大学でおこなわれます。くわしくは協会のサイトにて(参加無料・要約不要)。

ふるってご参加ください。

 

vnjapan.org

オルハン・パムク『赤い髪の女』宮下遼訳、早川書房

訳者の宮下遼先生からご恵投賜りました。どうもありがとうございます。

 

オルハン・パムク『赤い髪の女』宮下遼訳、早川書房

 

www.hayakawabooks.com

パムクの最新作ということで、拝読するのが楽しみです。

ありがとうございました。

 

 

杉野健太郎編『アメリカ文学と映画』三修社

貞廣真紀先生よりご共著書をご恵投いただきました。

誠にありがとうございました。

 

ジェイムズ・フェニモア・クーパー『モヒカン族の最後』1826
1 崖の上のアリス
モヒカン族の最後』とその映画的表象
川本 徹

ナサニエル・ホーソーン『緋文字』1850
2 ヴェンダースアメリカ古典文学に挑む
ヴィム・ヴェンダース監督『緋文字』
藤吉 清次郎

ハーマン・メルヴィル『白鯨』1851
3 ニューディールリベラリズムの遺産と反メロドラマの想像力
ジョン・ヒューストン監督『白鯨』
貞廣 真紀

マーク・トウェインハックルベリー・フィンの冒険』1885
4 『ハックルベリー・フィンの冒険』の映画史
辻 和彦

ヘンリー・ジェイムズ『鳩の翼』1902
5 リアリズム、ロマンスとモダニティ
イアン・ソフトリー監督『鳩の翼』論
堤 千佳子

イーディス・ウォートン『無垢の時代』1920
6 抑圧された<感情>のドラマ
マーティン・スコセッシ監督『エイジ・オブ・イノセンス
新井 景子

シオドア・ドライサー『アメリカの悲劇』1925
7 小説的社会と映画的世界
アメリカの悲劇』、エイゼンシュテイン、『陽のあたる場所』
小林 久美子

F・スコット・フィッツジェラルドグレート・ギャツビー』1925
8 モダン/ポストモダンな『グレート・ギャツビー
バズ・ラーマン監督『華麗なるギャツビー
杉野 健太郎

リリアン・ヘルマン『子供の時間』1934
9 ひとりで歩く女
ウィリアム・ワイラー監督『噂の二人』
相原 直美

ジョン・スタインベック怒りの葡萄』1939
10 アメリカ大衆文化における民衆の想像力
ジョン・フォード監督『怒りの葡萄
中垣 恒太郎

テネシー・ウィリアムズ欲望という名の電車』1947
11 プロダクション・コードを抜けて
エリア・カザン監督『欲望という名の電車』の軌道を辿る
山野 敬士

レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』1953
12 裏切りの物語
『長いお別れ』と『ロング・グッドバイ
諏訪部 浩一

フィリップ・K・ディックアンドロイドは電気羊の夢を見るか』? 1968
13 ユダヤ人/黒人の表象としてのレプリカント
アンドロイドは電気羊の夢を見るか』?と『ブレードランナー
大地 真介

カポーティ『冷血』1967と『カポーティ』2005
14 そのまなざしを受けとめるのは誰なのか
『冷血』と『カポーティ
越智 博美

アリス・ウォーカー『カラーパープル』1982
15 覇権調整のシネマトグラフィ
スティーヴン・スピルバーグ監督『カラーパープル
宮本 敬子

フィリップ・ロス『ヒューマン・ステイン』2000
16 ミスキャストの謎を追って
ロバート・ベントン監督『白いカラス
相原 優子

コーマック・マッカーシー『血と暴力の国』2005
17 コーマック・マッカーシーの小説とコーエン兄弟の映画の対話的関係の構築をめぐって
ノーカントリー』における「暴力」と「死」の映像詩学
山口 和彦

映画用語集
文献案内
執筆者一覧

 

www.sanshusha.co.jp

 

 

 

 

同じシリーズの「イギリス文学編」はこちら。

yakusunohawatashi.hatenablog.com

 

『世界文学アンソロジーーーいまからはじめる』(三省堂)書評まとめ

このエントリに『世界文学アンソロジーーーいまからはじめる』(三省堂)の書評をまとめさせていただきます。評をお寄せくださり、どうもありがとうございました。

 

波戸岡景太先生週刊読書人』11月1日号

かくしてこの刺激的かつ周到なアンソロジーは、私の中のほこりくさい世界文学ノスタルジーを破壊した。[…]このアンソロジーをきっかけに、私たちはまた、次世代の『世界文学全集』を夢見てしまう。

 

野崎歓先生『英語教育』2019年12月号

 「いまからはじめる」の副題にそぐわぬポジティヴな刺激に満ちたアンソロジーである。

 

小池昌代氏『図書新聞2019年12月21日号、「19年下半期読書アンケート」

今までにない斬新なアンソロジー……コラムも含め、発見に満ちている……詩の新訳が素晴らしい。

 

今井亮一さん『れにくさ』第11号、2021年、213-217頁。

 

所収された個々の作品の魅力についていつまでも語りたくなる、実に刺激的な2冊である。