訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

ゴーリキーと世界文学出版所――シリーズ「世界文学の最前線」第三期

9月29日(日)、日本大学通信教育部1号館にて、
以下のような内容の公開講座をおこないます(無料・予約不要)。
詳細はポスターをごらんください。
 
ゴーリキーと世界文学出版所――シリーズ「世界文学の最前線」第三期
 
ロシアの作家、マクシム・ゴーリキーは『母』『どん底などといった作品で世界的な文豪としていまも読まれています。そのゴーリキーは、1917年にボリシェヴィキが10月革命をおこして政権を奪取すると、職を失った文学者たちを集め、レーニンの協力のもと「世界文学出版所」をたちあげました。そして1919年、長大な「世界文学出版所カタログ」を刊行します。それはソ連版『世界文学全集』の青写真とでも言うべきものでした。今回の講座では、日本をふくめ全世界をおさめた「カタログ」の内容とその狙いを紹介します。 

 

 

 

f:id:yakusunohawatashi:20190903003545j:plain

 

 

 

 

Сусуму Нонака, Сокровенные тропы: поэтика стиля Андрея Платонова. Белград: Логос, 2019.

 野中進先生より、ご著書をご恵投いただきました。

Сусуму Нонака, Сокровенные тропы поэтика поэтика стиля Андрея Платонова. Белград: Логос, 2019.

恥ずかしながらプラトーノフにくわしいわけではまったくないので、こちらで勉強させていただきたいと思います。

野中先生、どうもありがとうございました。

 

f:id:yakusunohawatashi:20190813120919j:plain

 

 以下のページから目次など読むことができます。

 

philologist.livejournal.com

 

『世界文学アンソロジーーーいまからはじめる』三省堂

共編書『世界文学アンソロジーーーいまからはじめる』(三省堂)が刊行になりました。

2016年より月一回のペースで約一年間、編者と会議を重ね、そのあと延々と編集調整作業をくりかえしてきました。その結果をリリースできるのは、またひとつ肩の荷がおりる感じでうれしいです。

27作品のうち、約半分の12編が新訳、うち2編が初訳です。

私はチヌア・アチェベ「終わりの始まり」の新訳と、まえがき、読書案内をふたつ書いています。

まえがき 秋草俊一郎

第1章 言葉──すべてのはじまり

「ことば」エミリー・ディキンスン(谷崎由依訳)

「由煕」李良枝

「ヘルツル真夜中に消える」サイイド・カシューア(細田和江訳)

第2章 自己──まるで檻のような

「わたしは逃亡者」フェルナンド・ペソーア(福嶋伸洋訳)

「影法師」ハンス・クリスチャン・アンデルセン(大畑末吉訳)

「なにかが首のまわりに」チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ
 (くぼたのぞみ訳)

第3章 孤独──記憶はさいなむ

「あの日々」フォルーグ・ファッロフザード(鈴木珠里訳)

「土くれ」ジェイムズ・ジョイス柳瀬尚紀訳)

狂人日記魯迅(橋本悟訳)

第4章 家族──かけがえのない重さ

「子供」石垣りん

「私の兄さん」プレームチャンド(坂田貞二訳)

「終わりの始まり」チヌア・アチェベ(秋草俊一郎訳)

第5章 戦争──崩れゆく日常

「死のフーガ」パウル・ツェラーン(平野嘉彦訳)

「『騎兵隊』より二編」イサーク・バーベリ(中村唯史訳)

「グラフィティ」フリオ・コルタサル山辺弦訳)

第6章 環境──わたしたちを取りまく世界

「詩二編」ファン・ラモン・ヒメネス(伊藤武好・伊藤百合子訳)

「神々の村」石牟礼道子

「故障──ある日について、いくつかの報告」クリスタ・ヴォルフ
 (中丸禎子訳)

第7章 愛──いつだってつなわたり

「ジタネット」コレット(工藤庸子訳)

「ある夫婦の冒険」イタロ・カルヴィーノ(和田忠彦訳)

「白い犬とブランコ」莫言藤井省三訳)

第8章 悪──絶対やってはいけません

「夏の暑い日のこと……」フランツ・カフカ(川島隆訳)

「神の恵みがありますように」アズィズ・ネスィン(護雅夫訳)

「毒もみの好きな署長さん」宮沢賢治

第9章 生死──この世のむこう側

「あのおだやかな夜におとなしく入ってはいけない」ディラン・トマス
 (田代尚路訳)

「沖合の少女」ジュール・シュペルヴィエル(福田美雪訳)

「世界でいちばん美しい溺れびと」ガブリエル・ガルシア=マルケス
 (山辺弦訳)


コラム

1 翻訳

2 アダプテーション

3 オリエンタリズム

4 自伝文学

5 移民・亡命

6 ノーベル文学賞

7 魔術的リアリズム

8 メタモルフォーゼ

9 日本における世界文学

読書案内(ブックガイド)

出典一覧/訳者紹介/編者紹介

 

本書はもちろん独立したアンソロジーとしても楽しめますが、「世界文学プロジェクト」とでもよぶべきものの一環としても読むことができます。

 

デイヴィッド・ダムロッシュ『世界文学とは何か?』国書刊行会、2011年

フランコモレッティ『遠読――<世界文学システム>への挑戦』みすず書房、2016年

『文学 特集 世界文学の語り方』岩波書店、17巻5号、2016年

エミリー・アプター『翻訳地帯――新しい人文学の批評パラダイムにむけて』慶應義塾大学出版会、2018年

上記の本が理論編だとするなら、本アンソロジーは実践編ですね。

ぜひ、よろしくお願いいたします。

 

www.sanseido-publ.co.jp

 

 

f:id:yakusunohawatashi:20190712114329j:plain

 

 

 

 

f:id:yakusunohawatashi:20190712124153j:plain

 

 

 

 

 

 

『世界文学アンソロジーーーいまからはじめる』見本出来

7月19日刊行の共編書『世界文学アンソロジーーーいまからはじめる』(三省堂)の見本ができました。

 

f:id:yakusunohawatashi:20190712114329j:plain

 

中身はこんな感じです。

 

f:id:yakusunohawatashi:20190712124153j:plain

 

よろしくお願いいたします。

 

 

 

東京大学教養学部編『東京大学駒場スタイル』東京大学出版会、2019年。

武田将明先生にご恵投いただきました。どうもありがとうございます。

東京大学教養学部編『東京大学駒場スタイル』東京大学出版会、2019年。

 

www.utp.or.jp

 

日本通訳翻訳学会関東支部例会のおしらせ

 以下の要領で翻訳家デヴィッド・ボイド先生をお招きしてお話をうかがいます。

→定員に達したため、締め切りました。ありがとうございました。

日本通訳翻訳学会関東支部では、ノースカロライナ大学シャーロット校助教授David Boyd氏をお迎えし、第53回例会を以下のとおり開催いたします。使用言語は日本語の予定です。皆さまのご参加をお待ちいたします。

【日時】 2019年8月4日(日) 14:00〜17:00
【場所】 キャピタルビル4階会議室
     東京都文京区本駒込6-1-9
     都営三田線千石駅徒歩2分
     JR山手線巣鴨駅徒歩10分
https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132301/13112724/dtlmap/
1階不忍通りに面して、CAPITAL COFFEE本社店(赤い看板)があります。店舗の左側にキャピタルビルの入口がありますので、エレベーターで4階までおあがりください。

【プログラム】
14:00〜15:20 講演 David Boyd氏
Zero Subjects and Indeterminacy in Hiroko Oyamada’s Fiction
主語の空白から生まれる揺らぎをどう訳すか
小山田浩子の小説の英訳を一例として
15:20〜15:30  休憩
15:30〜16:00  対談 David Boyd氏・秋草俊一郎会員
           アメリカにおける近年の日本文学翻訳事情、その他
16:00〜17:00 質疑応答とディスカッション

【講演要旨】
本講演でデビッド・ボイドは、小山田浩子の小説を英訳した際に直面した幾つかの問題を紹介する。主語の省略、数ページにわたる段落、複数の語り手の存在といった、小山田の作品の中で重要な役割を果たしている要素に注目し、自身の翻訳において、小山田の独特の文体をどのように再現しようとしたかについて語る。

【対談要旨】
日本文学者エドワード・ファウラーによる日本文学のアメリカでの翻訳の現状についての論文 “Rendering Words, Traversing Cultures: On the Art and Politics of Translating Modern Japanese Fiction” が出版されたのが1992年だが、その後、日本文学の英訳の事情は大きく変わりつつある。ハルキ・ムラカミの席巻や、リトルプレスの台頭など、現在の日本文学の翻訳を、その流通もふくめて、現在北米で日本文学の翻訳をもっとも精力的におこなっている訳者であるデビッド・ボイド氏を迎えて、くわしく話をうかがいたい。

【講演者紹介】
David Boyd (デビッド・ボイド)
ノースカロライナ大学シャーロット校助教授。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) を卒業後、東京大学文学部で修士号を取得。プリンストン大学東アジア研究科博士課程修了。日本近代文学専攻。伊藤整平野謙の文学論を中心に研究を進めている。 Japan-U.S. Friendship Commission賞受賞。

【参加費】会員無料 非会員1000円(学生500円)

 【出席のご連絡・お問い合わせ】北代美和子(kanto@jais-org.net)までお願いいたします。

 

Cultural Diplomacy through Literature: Soviet Literature in 1960s Japan

すでに終了した発表ですが、週末に東京大学本郷キャンパスでおこなわれたJCREES (Council of Russian and East European Studies) のCulture and Diplomacy between the Soviet Union and Japan in the 1950s-1970sというパネルで、“Cultural Diplomacy through Literature: Soviet Literature in 1960s Japan” という発表をおこないました。ご来場くださった方々、ありがとうございました。当初の要旨をおいておきます。

 

 How did Soviet literature get involved in the USSRs’ Cold War diplomacy in Japan? The role of Soviet literature in the USSR cold war policies has not been in the know, though some impressive studies on American cultural diplomacy have been published in 2000s. In 1964, a journal “Sovieto bungaku [Soviet Literature]” was launched by Risosha, which was the publisher supported by USSR. In 1960s, some other Japanese translations of Soviet literature have been published from Risosha. Throughout the 60s, Risosha published several other Soviet literary works in Japanese translation. In addition, Soviet publishing companies like Progress Publishing House even published their own Japanese translations of Soviet literature for purposes of propaganda. Furthermore, the Union of Soviet Writers has regularly dispatched some writers to have a relationship with Shin Nihon Bungakukai [New Japanese Literature Association] and Nihon Bungeika Kyokai [Japan Writers’ Association]. By scrutinizing and reading closely the roles of Soviet writers and Japanese translations of Soviet literature in the 1960s, this presentation attempts to analyze the Soviet self-image the USSR tried to present to the Japanese people.