訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

『世界文学アンソロジーーーいまからはじめる』見本出来

7月19日刊行の共編書『世界文学アンソロジーーーいまからはじめる』(三省堂)の見本ができました。

 

f:id:yakusunohawatashi:20190712114329j:plain

 

中身はこんな感じです。

 

f:id:yakusunohawatashi:20190712124153j:plain

 

よろしくお願いいたします。

 

 

 

東京大学教養学部編『東京大学駒場スタイル』東京大学出版会、2019年。

武田将明先生にご恵投いただきました。どうもありがとうございます。

東京大学教養学部編『東京大学駒場スタイル』東京大学出版会、2019年。

 

www.utp.or.jp

 

日本通訳翻訳学会関東支部例会のおしらせ

 以下の要領で翻訳家デヴィッド・ボイド先生をお招きしてお話をうかがいます。

非会員は1000円かかりますが、ぜひおいでください。

日本通訳翻訳学会関東支部では、ノースカロライナ大学シャーロット校助教授David Boyd氏をお迎えし、第53回例会を以下のとおり開催いたします。使用言語は日本語の予定です。皆さまのご参加をお待ちいたします。

【日時】 2019年8月4日(日) 14:00〜17:00
【場所】 キャピタルビル4階会議室
     東京都文京区本駒込6-1-9
     都営三田線千石駅徒歩2分
     JR山手線巣鴨駅徒歩10分
https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132301/13112724/dtlmap/
1階不忍通りに面して、CAPITAL COFFEE本社店(赤い看板)があります。店舗の左側にキャピタルビルの入口がありますので、エレベーターで4階までおあがりください。

【プログラム】
14:00〜15:20 講演 David Boyd氏
Zero Subjects and Indeterminacy in Hiroko Oyamada’s Fiction
主語の空白から生まれる揺らぎをどう訳すか
小山田浩子の小説の英訳を一例として
15:20〜15:30  休憩
15:30〜16:00  対談 David Boyd氏・秋草俊一郎会員
           アメリカにおける近年の日本文学翻訳事情、その他
16:00〜17:00 質疑応答とディスカッション

【講演要旨】
本講演でデビッド・ボイドは、小山田浩子の小説を英訳した際に直面した幾つかの問題を紹介する。主語の省略、数ページにわたる段落、複数の語り手の存在といった、小山田の作品の中で重要な役割を果たしている要素に注目し、自身の翻訳において、小山田の独特の文体をどのように再現しようとしたかについて語る。

【対談要旨】
日本文学者エドワード・ファウラーによる日本文学のアメリカでの翻訳の現状についての論文 “Rendering Words, Traversing Cultures: On the Art and Politics of Translating Modern Japanese Fiction” が出版されたのが1992年だが、その後、日本文学の英訳の事情は大きく変わりつつある。ハルキ・ムラカミの席巻や、リトルプレスの台頭など、現在の日本文学の翻訳を、その流通もふくめて、現在北米で日本文学の翻訳をもっとも精力的におこなっている訳者であるデビッド・ボイド氏を迎えて、くわしく話をうかがいたい。

【講演者紹介】
David Boyd (デビッド・ボイド)
ノースカロライナ大学シャーロット校助教授。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) を卒業後、東京大学文学部で修士号を取得。プリンストン大学東アジア研究科博士課程修了。日本近代文学専攻。伊藤整平野謙の文学論を中心に研究を進めている。 Japan-U.S. Friendship Commission賞受賞。

【参加費】会員無料 非会員1000円(学生500円)

 【出席のご連絡・お問い合わせ】北代美和子(kanto@jais-org.net)までお願いいたします。

 

Cultural Diplomacy through Literature: Soviet Literature in 1960s Japan

すでに終了した発表ですが、週末に東京大学本郷キャンパスでおこなわれたJCREES (Council of Russian and East European Studies) のCulture and Diplomacy between the Soviet Union and Japan in the 1950s-1970sというパネルで、“Cultural Diplomacy through Literature: Soviet Literature in 1960s Japan” という発表をおこないました。ご来場くださった方々、ありがとうございました。当初の要旨をおいておきます。

 

 How did Soviet literature get involved in the USSRs’ Cold War diplomacy in Japan? The role of Soviet literature in the USSR cold war policies has not been in the know, though some impressive studies on American cultural diplomacy have been published in 2000s. In 1964, a journal “Sovieto bungaku [Soviet Literature]” was launched by Risosha, which was the publisher supported by USSR. In 1960s, some other Japanese translations of Soviet literature have been published from Risosha. Throughout the 60s, Risosha published several other Soviet literary works in Japanese translation. In addition, Soviet publishing companies like Progress Publishing House even published their own Japanese translations of Soviet literature for purposes of propaganda. Furthermore, the Union of Soviet Writers has regularly dispatched some writers to have a relationship with Shin Nihon Bungakukai [New Japanese Literature Association] and Nihon Bungeika Kyokai [Japan Writers’ Association]. By scrutinizing and reading closely the roles of Soviet writers and Japanese translations of Soviet literature in the 1960s, this presentation attempts to analyze the Soviet self-image the USSR tried to present to the Japanese people.

 

『世界文学アンソロジーーーいまからはじめる』三省堂・目次公開

7月19日、三省堂より共編著『世界文学アンソロジーーーいまからはじめる』を刊行いたします。

 

20世紀の「世界文学全集」ではなく、21世紀の「世界文学アンソロジー」を編もうと、

2016年より編者と会議を重ねてきました。その結果をリリースできるのはうれしいです。

 

刊行に先立ちまして、その収録作品をいち早く公開させていただきます。

  

 言葉―すべてのはじまり

 

エミリー・ディキンスン(アメリカ)「ことば」(詩)谷崎由依

 

李良枝(韓国/日本)「由煕」

 

サイイド・カシューア(イスラエル/アラブ)「ヘルツル真夜中に消える」細田和江訳

 

自己―まるで檻のような

 

フェルナンド・ペソーア(ポルトガル)「わたしは逃亡者」(詩)福嶋伸洋訳

 

ハンス・クリスチャン・アンデルセンデンマーク)「影法師」大畑末吉訳

 

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(アメリカ)「なにかが首のまわりに」(※「アメリカにいる、きみ」改題)くぼたのぞみ訳

 

孤独―記憶はさいなむ

 

フォローグ・ファッロフザード(イラン)「あの日々」(詩)鈴木珠里訳

 

ジェイムズ・ジョイスアイルランド)「土くれ」柳瀬尚紀

 

魯迅(中国)「狂人日記」橋本悟訳

 

家族―かけがえのない重荷

 

石垣りん「子供」(詩)

 

プレームチャンド(インド)「私の兄さん」坂田貞二

 

チヌア・アチェベ(ナイジェリア )「終わりの始まり」秋草俊一郎訳

 

戦争―崩れゆく日常

 

パウル・ツェラーン(ルーマニア)「死のフーガ」(詩)平野嘉彦訳

 

イサーク・バーベリ(ロシア)「ズブルチ河を越えて/私の最初のガチョウ」(『騎兵隊』より二編)中村唯史

            

フリオ・コルタサル(アルゼンチン)「グラフィティ」山辺弦訳

 

環境―わたしたちを取り巻く世界

 

ファン・ラモン・ヒメネス(スペイン)「わたしはよく知っている/鳥達は何処から来たか知っている」(詩)伊藤武好・伊藤百合子訳

 

石牟礼道子「神々の村」

 

クリスタ・ヴォルフ(東ドイツ)「故障――ある日について、いくつかの報告」中丸禎子訳

 

愛―いつだってつなわたり

 

コレット(フランス)「ジタネット」工藤庸子訳

 

イタロ・カルヴィーノ(イタリア)「ある夫婦の冒険」和田忠彦訳

 

莫言(中国)「白い犬とブランコ」藤井省三

 

悪―絶対やってはいけません

 

フランツ・カフカチェコ)「夏の暑い日のこと……」川島隆訳

 

アズィズ・ネスィン(トルコ)「神の恵みがありますように」護雅夫訳

 

宮澤賢治「毒もみのすきな署長さん」

 

生死―この世のむこう側

 

ディラン・トマスウェールズ)「あのおだやかな夜におとなしく入ってはいけない」(詩)田代尚路訳

 

ジュール・シュペルヴィエル(フランス)「沖合の少女」福田美雪訳

 

ガブリエル・ガルシア=マルケス(コロンビア)「世界でいちばん美しい溺れびと」山辺弦訳

 

初訳作品をふくむ、12編が新訳です。

どうぞよろしくお願いいたします。

  

 

 

高橋知之『ロシア近代文学の青春――反省と直接性のあいだで』東京大学出版会

高橋知之さんより、ご著書をご恵投いただきました。

高橋さん、出版おめでとうございます。そしてありがとうございました。

このような大著を年少の研究者からいただいてしまい、責任を感じています。

 

高橋知之『ロシア近代文学の青春――反省と直接性のあいだで』東京大学出版会

 

www.utp.or.jp

 

アンソロジーのなかのナボコフ⑭Michael Lipton, R.C.O. Matthews, John M. Rice, Chess Problems: Introduction to an Art, New York: Citadel Press, 1965.

こちらも久しぶりになってしまったシリーズですが、今回はこちら。

Michael Lipton, R.C.O. Matthews, John M. Rice, Chess Problems: Introduction to an Art,  New York: Citadel Press, 1965.

 

f:id:yakusunohawatashi:20190429212137j:plain

チェスプロブレムの入門書です。

 

f:id:yakusunohawatashi:20190429212241j:plain

 

収録されているナボコフのプロブレムは一局。『詩とプロブレム』の第一局に使われているものです。

 

しかし興味深いのはむしろ、Introductionの最後に、

ナボコフの自伝『記憶よ、語れ』よりかなり長い引用がされ、

チェスプロブレムの楽しさを描いた例とされていることでしょう(pp. 23-24)

 

チェスプロブレムのアンソロジーにも収録されている例として

あげておきます。