訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

藤野功一編著『アメリカン・モダニズムと大衆文学』金星堂

千代田夏夫先生から共著書、 藤野功一編著『アメリカン・モダニズムと大衆文学』(金星堂)をご恵投賜りました。誠にありがとうございます。

 

藤野功一 序――アメリカン・モダニズムと大衆文学のつながり   1−26

早瀬博範 ガートルード・スタインとセレブリティ・モダニズム 27−59

高橋美知子  ゼルダフィッツジェラルドの決定不可能なテクスト 60−84

千代田夏夫  F・スコット・フィッツジェラルド第一次世界大戦 85−107

中村嘉雄 優生学ヘミングウェイ 108−143

藤野功一 メディアへの愛  144−172

樋渡真理子 フォークナー再売り出し  173−203

塚田幸光 「大衆」とフォト・テクスト 204−226

永尾悟 人種を語る自伝的言語の構築 227−250

山下昇 ラルフ・エリスンモダニズムと大衆文学・文化 251−275

 

主に九州のアメリカ文学者が寄稿した論文集です。

 

千代田先生は「F・スコット・フィッツジェラルド第一次世界大戦」という論文を寄稿されています。

 

あとは藤野功一先生「メディアへの愛」、樋渡真理子先生「フォークナー再売り出し」、早瀬博範先生「ガートルード・スタインとセレブリティ・モダニズム」も自分の関心からとても勉強になりました。

 

 

 

2019年度 ナボコフ協会大会のおしらせ

2019年度の大会は5月11日(土)、早稲田大学文学学術院(戸山キャンパス)33号館3階第1会議室にて行われます。

 

今回は報告と、20周年の記念シンポジウムです。

 

私は残念ながら参加できませんが・・・・・・

 

くわしくは以下をご覧ください。

 

vnjapan.org

日本人はナボコフをどう読んできたか――『ロリータ』を中心に

拙論が掲載されました。

 

「日本人はナボコフをどう読んできたか――『ロリータ』を中心に」『言語文化』36号、2019年、3-22頁。

 

拙著『アメリカのナボコフ――塗りかえられた自画像』(慶應義塾大学出版会)の第五章で論じたナボコフの日本での受容を、もう一度出版や翻訳研究の立場からとらえなおそうとした内容になります。

 

本原稿に関しては、明治学院大学の貞廣真紀先生に大変お世話になりました。ありがとうございました。

 

なお、本論は特集「トランスレーション・アダプテーション・インターテクスチュアリティ」の一編として掲載されています。

400頁を超す大変に読みでのある号ですので、よろしければお読みください。

(いずれ電子化もされるということです)

 

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www.meijigakuin.ac.jp

小澤裕之『理知のむこう ダニイル・ハルムスの手法と詩学』 未知谷

 小澤裕之さんにご著書『理知のむこう ダニイル・ハルムスの手法と詩学』 をいただきました。どうもありがとうございました。

 

ハルムスの活動を意味をこえた「ザーウミ」として同時代の文学運動のなかでとらえなおすもので、勉強になりました。

 

ぱっとみではわかりづらいですが、造本が非常に凝った本です。

クリーム色のクロス装で、スピン(紐のしおり)が二色、二本ついています。

 

本書はそれだけで立派なモノグラフですので、

他人の「跋」は私だったらつけないかな、と思って読みました。

 

(145頁 アルカイムズ→アルカイズム?)

 

 

 

www.kinokuniya.co.jp

フィリップ・アモン『イマジュリーーー19世紀における文学とイメージ』

福田さんにご恵投賜りました。どうもありがとうございます。

フィリップ・アモン『イマジュリーーー19世紀における文学とイメージ』中井敦子・福田美雪・野村正人・吉田典子訳、水声社

 

四章の以下の一節に、はっとさせられました。

だから文学はポスターと出会わずにはいられなかった。ポスターとは、現実世界に遍在し文学に入り込もうとするものであるのみならず、文学そのものの鏡、雛形であり、文学を魅惑する、あるいは文学が忌避するもの、文学の引き立て役でもある。111頁。

 

 

 【目次
日本語版への序文 

序論

第一章 生産されるイメージ――暗室
第二章 展示されるイメージ――ミュージアム
第三章 イメージの工房――アトリエ
第四章 都市の中のイメージ――街路
第五章 身体にまつわるイメージ――頭と腹
第六章 創作現場におけるイメージ――前‐テクスト
第七章 入り口のイメージ――扉絵
第八章 テクストの中のイメージ――文彩と脱文彩化
第九章 語るイメージ、イメージを生む言葉、語られるイメージ
第十章 アルバム、あるいは新しい読書
第十一章 線のかたち――汽車
第十二章 傘、十九世紀的なアイコン
結論 

 

 

www.suiseisha.net

 

 

マシュー・レイノルズ『翻訳――訳すことのストラテジー』書評まとめ

このエントリにマシュー・レイノルズ『翻訳――訳すことのストラテジー』の書評をまとめておきます。

書評をくださったみなさま、どうもありがとうございました。 

 

鴻巣友季子

鴻巣友季子さん『毎日新聞』2019年3月17日

 「政治力学にも切りこむ」

mainichi.jp

 

山田文さん『週刊読書人』2019年7月12日号

「翻訳とは創造的で豊かな営み」

 本書の翻訳自体が、著者の提示する翻訳理解のよき実践例となっているのもうれしい。翻訳関係者のみならず、ことばや異文化交流に関心を持つ人に広く読まれてほしい一冊である。

 
北代美和子さん『通訳翻訳研究への招待』21号、2019年。
 多くの人は、母語と外国語の2言語を話す人間ならだれでも両方向の翻訳・通訳が可能だと思いがちだし、通訳者を介しさえすれば自分の発言が外国語になって100パーセント伝えられると信じているだろう。このような誤解から生まれる齟齬を回避するためにも、一般社会の側に「翻訳・通訳」について一定のコンセンサスがあることが望ましいのではないだろうか?その意味で、本書『翻訳訳すことのストラテジー』のようなコンパクトな翻訳(学)の入門書が世に出されることは、翻訳学というひとつのdisciplineのみならず、社会全体にとっても有益だと思われる。

 

 

 荒木詳二先生『世界文学』130号、2019年、72-74頁。

一言でいえば、本書は翻訳に対するさまざまな疑問に答える、質の高い入門書だといえよう。 

 

 

 

マシュー・レイノルズ『翻訳――訳すことのストラテジー』ソクラテスによる紹介

書籍紹介サイト「ソクラテス」でレイノルズ『翻訳――訳すことのストラテジー』が紹介されました。

 

「グーグル翻訳があれば外国語学習はもう必要ない?」という刺激的な見出しで

本書の一部を紹介していただいています。

 

よろしければご覧ください。

 

socrates.media

https://socrates.media/2019/03/14/4155/