訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

文化翻訳入門-日本と世界の文化コミュニケーション-

「JMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)」というオンライン講座で一部授業を担当しています。

gaccoのウェブサイト上から見ることができるようです。

 

lms.gacco.org

「文化翻訳」をテーマにした複数の教員によるオムニバス講義(一回15分程度)で、

私は第三週のマンガの回の一部を担当しました。

 

コミックビーム編集長の岩井好典さんに、漫画の翻訳や、小説の漫画化について、三回分インタヴューしています。

 

岩井さんは超敏腕の編集者として、数々の名作を生みだしてきた方ですが、あの漫画やあの漫画の裏話なんかもいろいろとうかがっております(尺の関係で削らなくてはならなかったところもあり…残念だったのですが…)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

登録が必要ですが、だれでも視聴でき、かつ無料です。

 

現在は登録受付中で、講座自体は来年1月11日からはじまる予定です(ただし、一定期間後受講不能になりますのでご注意を)。

 

大学もいろいろなことをやっていかなくてはならない時代ですね。

北米における「世界文学」教育研究史@ゲーテ自然科学の集い2016/12/4

 *終了しました。ありがとうございました。

ゲーテ自然科学の集い 12月東京研究会のお知らせ

 皆さま、お待たせしてしまいましたが、12月4日(日)の東京研究会のプログラムが確定しましたので、ぜひお越しください。

  今回も特別ゲスト・スピーカーとして、比較文学研究者でナボコフ研究家の秋草俊一郎さんに「世界文学」を巡る研究紹介をしていただきます。
https://www.amazon.co.jp/%E7%A7%8B%E8%8D%89-%E4%BF%8A%E4…/…/

[日  時] 2016年12月4日(日)午後1時30分より
[場  所] 慶應義塾大学三田キャンパス 南館4階会議室
     (JR田町駅都営地下鉄三田駅下車)
http://www.keio.ac.jp/access.html

[講読]

[講読]13:30~15:30
担当:茅野大樹氏
 Über Bildung von Edelsteinen (HA, Bd. 13, S. 270-272; FA, Bd. I-25, S. 553-554; MA, 11.2, S.531-532)
[研究紹介]16:00~18:00
 秋草 俊一郎氏:「北米における「世界文学」教育研究史(仮)」

     *時間は目安です。
     *会終了後、Bierabendを開きます。会費実費。

 

goethe-natur.info

 

ナボコフとエリオット――「ゲーム」から「モラル」へ、「歴史」から「伝記」へ

論文が刊行されました。

ナボコフとエリオット――「ゲーム」から「モラル」へ、「歴史」から「伝記」へ」『T.S. Eliot Review』27号、2016年、52-68頁。

 

 去年の11月に、日本T.S.エリオット協会で発表させていただいたことをまとめたものです。

 

yakusunohawatashi.hatenablog.com

もう一年たつわけですね。早い。

 

内容はタイトルの通りのものですが、ナボコフがヒュー・ケナーの『パウンドの時代』に記したパウンドを揶揄した小詩などを引用しておきました。

 

以下にいただいた寄稿誌の目次を貼っておきます(タイプする余力がないので、写真で)。

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Nabokov@New York City10 304 West 75 Street

新しくわかったNYCでの滞在先を記しておきます。

 

亡命ロシア人で、編集者・ビジネスマンのロマン・グリンベルグのアパートにたびたび滞在していたようです。名前からしてユダヤ系でしょうね。

 

 ロマン・グリンベルグ(1893-1970)がナボコフと知り合ったのは1939年にパリで、英語の家庭教師の生徒としてでした。

 

その後も二人ともアメリカに渡ったこともあって交友はつづき、エドマンド・ウィルソンが共通の友達になったこともあって、グリンベルグのアパートでディナーをとることもあったようです。

 

グリンベルグは"Opyty" や "Vozdushnye Puti"といった雑誌のエディターでもあり、ナボコフは記事を投稿したこともありました。そういったこともあり、良好な関係が比較的長く続いたようです。

 

 コロンビアのバフメチェフにも書簡が収蔵されています。

 

ナボコフがグリンベルグのアパートに泊めてもらったのは、わかっている限り

 

・1945年2月 ごろ

・1952年12月22日ごろ

 

のようです。

 

肝心の場所ですが、304 West 75 Streetにあったようです。

 

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 地図でわかるように、AMNHのすぐそばです。ナボコフが滞在したのは、その辺の利便性もあったのかもしれません。

 

 

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現在の外観はこんな感じのアパートになっています。

日本ナボコフ協会秋の研究会のお知らせ

日本ナボコフ協会秋の研究会が、2016年11月12日(土)、南山大学名古屋キャンパスにておこなわれます。

 

The Nabokov Society of Japan

 

今回は研究発表1本、特別講演1本がおこなわれるようです。

 

(残念ながら、講演とかぶってしまい私は出席できませんが…)

 

Nabokov@New York City9 American Museum of Natural History

3年ぶりぐらいのシリーズです。

 

1940年代、ケンブリッジ・ボストン近郊に住んで、蝶についての調査をMCZで始めていたころのナボコフが、たびたび訪問したのがニューヨークのAmerican Museum of Natural History(アメリカ自然史博物館)です。

 

77番街―81番街、セントラルパークの西側に位置しています。

 

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 ↑は77番街側からの関係者入口&出口です。ふつうはセントラルパーク側の入り口から入ります。

American Museum of Natural History

 

なお、ちなみに現在は以下のような展示をおこなっていました。

www.amnh.org

 

 

いろいろ調べたところ、少なくとも、

 

1942年1月20日

1942年3月13日

1942年4月15日

1945年4月12日

1946年5月6日

1946年9月末?―10月?

1948年9月6日―7日

1952年12月23日

 

 …は博物館に通って、タイプ標本をチェックしたり、研究員のドス・パソスやコムストックと蝶や蛾の分類について議論したようです。

 

シリル・ドス・パソス(1887―1986)*1、ウィリアム・P・コムストック(1880–1956)はどちらもすぐれた昆虫学者だったようで、書簡を読むとナボコフが彼らとの交友を非常に楽しんでいたことがわかります。1948年にナボコフケンブリッジをはなれ、コーネルに移ることになるわけですが、それは安定した生活と引き換えにMCZでの研究を手放すことを意味していたわけで、そのことを伝える書簡はその辛さ、手放しがたさを訴えるものになっています。

 

もし、ナボコフがコーネルに職をえることがなく、ケンブリッジにとどまりつづけていたとしたら、『文学講義』シリーズはなかったでしょうが、鱗翅目研究についての大部の研究書が書かれていた可能性は十分にあるでしょう。

 

 

 

 ナボコフの鱗翅目研究については以下のエントリもお読みください。

 

yakusunohawatashi.hatenablog.com

あるいは『ナボコフの塊』の付録、荒木崇先生のエッセイも。

 

 

 ナボコフと鱗翅目研究者のやりとりの(ごくごく)一部は、

 

 

に収録されています。

講演「北米における「世界文学」教育と日本文学の関係」@北海学園大学2016/11/12

きたる11月12日、日本比較文学会北海道大会にて、「北米における「世界文学」教育と日本文学の関係」と題した講演をおこなわせていただきます。

(内容は要旨と多少変更される予定あります)

 

d.hatena.ne.jp

よろしくお願いいたします。

 

先日の「術語としての「世界文学」」@『文学 世界文学の語り方』とも関連すると思います。

 

 

また、↓こちらとかかわってきます。