訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

2021年回顧

2021年も終わりです。今年も自分の仕事で印象深かったものをあげておきます。

 

1 (訳書)アレクサンダル・ヘモン『私の人生の本』(松籟社

アレクサンダル・ヘモンのエッセイ集を翻訳刊行できました。

残念ながらまったく売れていないそうですが……。

 

 

 

2 (論考)「拡張される自意識のための「世界」――「世界文学」とアメリカ」『群像』2021年1月号、282 - 290頁

久しぶりに『群像』から依頼を受けて、論考を書きました。

 

今年は残念ながらあまり成果を発表できませんでしたが、仕方ありません。

ほかには国際学会で英語で発表させていただいたり(カテリーナ・クラーク先生がなぜかコメントを……)、

世界文学CLNでのパネルに加えていただいたりといったあたりが印象に残っています。

どちらもよく発表できたな、とコンディションを考えると思えます。

 

2022年の展望は元日に公開したいと思います。

それではみなさん、よいお年をお迎えください。

頭木弘樹・品川亮選・文『366日 文学の名言』三才ブックス

頭木さんからご編著をご恵投賜りました。どうもありがとうございます。

 

366日、毎日ひとつずつ「文学」の名言を紹介していく本になります。

 

ちなみに昨日の明言は

 

そう疲れるはずはないのに、

ひどく疲れたような感じである。

今日一日、何をしたか?

何もしはしない。

 

中島敦『狼疾記』より

 

とてもいまの気分にあっている気がしてきました。

 

↓頭木さんのブログです。

ameblo.jp

 

 

沼野充義・沼野恭子編訳『ヌマヌマーーはまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』河出書房新社

訳者からいただきました。どうもありがとうございます。

 

沼野充義沼野恭子編訳『ヌマヌマーーはまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』河出書房新社

 

沼野夫妻がここ30年程のあいだに訳された現代ロシア文学の短編集です。

ひとくちに「現代」と言ってしまっても、収録作家の世代の幅は相当ありますね。

残念ながら現段階でこの作品集の目次がどこにもあがっていないので?

内容を本ブログが世界にさきがけて紹介しておきましょう。

 

はじめに――未来後の世界からの報告

 

ニーナ・サドゥール 空のかなたの坊や

 

ミハイル・シーシキン バックベルトの付いたコート

 

マリーナ・ヴィシネヴェツカヤ 庭の経験

 

ヴィクトル・ペレ―ヴィン 聖夜のサイバーパンク、あるいは「クリスマスの夜―117.DIR」

 

オリガ・スラヴニコワ 超特急「ロシアの弾丸」

 

エドワルド・リモーノフ ロザンナ

 

ザハール・プリレーピン おばあさん、スズメバチ、スイカ

 

タチヤーナ・トルスタヤ 霧の中から月が出た

 

ヴィクトル・エロフェーエフ 馬鹿と暮らして

 

エヴゲーニイ・グリシコヴェツ 刺青

 

アサール・エッペリ 赤いキャビアのサンドイッチ

 

アンドレイ・ビートフ トロヤの空の眺め

 

あとがき

 

 

 

www.kawade.co.jp

 

シギズムンド・クルジジャノフスキイ「支線」

以前翻訳したシギズムンド・クルジジャノフスキイの短編「支線」が、

松籟社noteで公開されています。

よろしければご覧ください。

 

note.com

「支線」が収録されているのはこちら。

 

 

クルジジャノフスキイのほかの作品はこちら。

 

 

アレクサンダル・ヘモン『私の人生の本』(松籟社)書評

アレクサンダル・ヘモン『私の人生の本』(松籟社)の書評が『週刊 読書人』2021年10月29日号に掲載されています。評者は福嶋伸洋さん。どうもありがとうございます。

「複数形のlivesが織り成す迷宮――「人生」「暮らし」「命」、さまざまな曲がり角」

重層にまたがった複数形のlivesが織り成す迷宮へと、アレクサンダル・ヘモンのこの本は読者は導いていく。

 

日本経済新聞』2021年10月30日号

出来事の前と後、複数のアイデンティティー、あり得たかもしれない別の人生の重なりを見つめ、美しい文章を生み出す。

 

 

www.nikkei.com

図書新聞』3525号、1月1日号

矢倉喬士さん

ヘモンは人生の矛盾を矛盾のままに、現実の破裂を破裂のままに描き出すのだ。

 

 

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問」に答える

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問」に答える

ブログ名もしくはハンドルネームの由来は?

2011年に刊行した第一モノグラフ『ナボコフ 訳すのは「私」――自己翻訳がひらくテクスト』にちなんでつけました。

 

はてなブログを始めたきっかけは?

第一作刊行に合わせて、著作や翻訳、発表の告知、研究ノート、献本のお礼と周知などしたいと思い。そのころはダイアリーでした。

自分で書いたお気に入りの1記事はある?あるならどんな記事?

一記事というわけではないですが、ナボコフアメリカでの滞在先を自分で見てまわって写真入りでまとめた記事。

yakusunohawatashi.hatenablog.com

ブログを書きたくなるのはどんなとき?

最近は忙しくてちゃんとした記事を書けない。

下書きに保存された記事は何記事? あるならどんなテーマの記事?

ほとんどない。アンソロジーの中のナボコフ一記事のみ。

自分の記事を読み返すことはある?

むしろ備忘録としてつかっている。

好きなはてなブロガーは?

qfwfqさん、Dekobokoさん、hayasiya7さん、fromAmbertoZenさん、amyoさんほか

はてなブログに一言メッセージを伝えるなら?

ダイアリー時代のほうがいろいろよかった気がするが、なかったらまとまっていない論文もあるし、生まれなかった交流もあるので感謝。

10年前は何してた?

10年前は非常に苦しい時期でした。

この10年を一言でまとめると?

3回引っ越して、就職して転職して、家族が増え、いろいろ書いたり訳したりして、本をたくさん出せました。