訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

倉橋洋子・髙尾直知・竹野富美子・城戸光世編著『繋がりの詩学――近代アメリカの知的独立と〈知のコミュニティ〉の形成』彩流社

貞廣真紀先生からご恵投賜りました。

倉橋洋子・髙尾直知・竹野富美子・城戸光世編著『繋がりの詩学――近代アメリカの知的独立と〈知のコミュニティ〉の形成』彩流社

 

早速、古屋耕平「想像の世界文学共同体──マーガレット・フラーの『ゲーテとの対話』翻訳」や、中村善雄「ローウェル、フィールズ、ハウエルズの編集方針──『アトランティック・マンスリー』に見る知的コミュニティの形成」などを拾い読みして勉強させていただきました。

 

どうもありがとうございました。

それにしてもアメリカ文学は共著書が本当にばんばんでますね。

彩流社のがんばりもあるのでしょうが、特に多い印象です。

 

www.sairyusha.co.jp

 

 

マシュー・レイノルズ『翻訳――訳すことのストラテジー』正誤表

※この日の日記にマシュー・レイノルズ『翻訳――訳すことのストラテジー』に誤字・誤植・誤訳など見つかり次第アップしていく予定です。

 

74頁4行目 ドロシー・S・セイヤーズ→ドロシー・L・セイヤーズ

5行目 セイヤー→セイヤーズ

 

・94頁  ウィリアムズがsovereignty(主権)にあてて使ったもうひとつの語はrangatiratangaで、裁判権や所有権のような意味のことばだった。

ウィリアムズがsovereignty(主権)にあてて使ってもよかったもうひとつの語はrangatiratangaで、裁判権や所有権のような意味のことばだった。

 

・95頁 rangatiratangaとkawanatangaがそれぞれ別の語に置きかわったとしたら、・・・拘束力についてうまくイメージできたかもしれない。

rangatiratangaとkawanatangaの使われ方が逆であれば、・・・拘束力についてもっとうまくイメージできたかもしれない。

 

・104頁

現在、ウェブサイト上で膨大なテキスト同士のちがいをかんたんに比べることができ、キリスト教徒も既存のどの訳文もそれ自体が神のことばでないことはわかっているが、なお唯一無二の翻訳なのだ。

現在、ウェブサイト上で数多あるテキスト同士をかんたんに比べることができ、おかげでキリスト教徒もどの訳文も神のことばそのものでなく、翻訳のひとつにすぎないとわかるようになった。

 

・183頁 注1→トル

 

・索引 「ダンテ、アリギエーリ」→「ダンテ・アリギエーリ」

マシュー・レイノルズ『翻訳――訳すことのストラテジー』見本出来

白水社より、翻訳した本が3月1日に出ます。

 

マシュー・レイノルズ『翻訳――訳すことのストラテジー白水社

 

また内容など紹介します。よろしくお願いいたします。

 

www.hakusuisha.co.jp

 

f:id:yakusunohawatashi:20190224221904j:plain

 

 

第2回村上春樹研究セミナー 「言語と文化とメディアを超えて」@京都大学

もう一件告知させていただきます。

 4月20日(土)、京都大学でおこなわれます「第2回村上春樹研究セミナー」にお招きいただき、インタヴューしていただけることになりました。ありがとうございます。

 

第2回村上春樹研究セミナー

「言語と文化とメディアを超えて」

2019年4月20日(土) 14時00分~17時00分

どなたでも歓迎(無料、予約不要、途中参加も可)

第1部 ロングインタビュー

世界文学をめぐる冒険

(日本大学准教授 秋草俊一郎先生)

第2部 講演(映像つき)

村上春樹の「納屋を焼く」と

イ・チャンドンの『バーニング』

(広島大学非常勤講師 山根由美恵先生)

総合司会:横道 誠(京都府立大学准教授)

主催:村上春樹研究フォーラム

 

 

詳しくは↓以下まで。

 

sites.google.com

 

エミリー・アプター『翻訳地帯』合評会@津田塾大学

エミリー・アプター『翻訳地帯――新しい人文学の批評パラダイムにむけて』(慶應義塾大学出版会,2018)の合評会を開催していただけることになりました。

 

津田塾大学言語文化研究所「世界文学の可能性」プロジェクト主催


エミリー・アプター『翻訳地帯』合評会

 

Emily Apter のTranslation Zone: A New Comparative Literature (2005)は9.11 同時多発テロを背景に、スピヴァクが「死」を宣言した人文学の新たなあり方を「翻訳(不)可能性」に見出した論考で、翻訳の行為を思想化した大変興味深い作品です。昨年4月、およそ13 年を経て日本語版『翻訳地帯』が慶應義塾大学出版会から出版されました。日本語版出版に至るまでの間に翻訳研究はさらなる展開を見せ、最近では「クリエイティブ・(リ)ライティングとしての翻訳」やアダプテーション研究との接近など様々な議論が巻き起こりつつあります。
このような変化の中で『翻訳地帯』をどのように評価できるか講評と応答をおこない、翻訳研究と人文学研究のさらなる可能性について議論を深めたいと思います。どうぞ、ふるってご参加ください。


4 月13 日(土)14〜17 時
津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス1F会議室(SA120)


― 評者 ―
早川敦子(津田塾大学
本橋哲也(東京経済大学
洪貴義(法政大学・非常勤講師)

― 応答 ―
エミリー・アプター『翻訳地帯―新しい人文学の批評のパラダイムに向けて』共訳者
山辺弦(東京経済大学
秋草俊一郎(日本大学
坪野圭介(和洋女子大学・非常勤講師)
今井亮一東京大学・博士課程院生)

― 司会 ―
早尾貴紀東京経済大学
※ 要参加申込み(定員40 名)、参加費無料

 

問い合わせ、参加申し込みなど、詳細は以下のウェブサイトまで。

www2.tsuda.ac.jp

 

頭木弘樹編『トラウマ文学館――ひどすぎるけど無視できない12の物語』ちくま文庫

頭木弘樹編『トラウマ文学館――ひどすぎるけど無視できない12の物語』(ちくま文庫)で、二編翻訳をさせていただきました。

 

f:id:yakusunohawatashi:20190212233703j:plain

 

以下が収録作品のラインアップです。

直野祥子「はじめての家族旅行」

原民喜「気絶人形」

李清俊「テレビの受信料とパンツ」

フィリップ・K.ディック「なりかわり」

筒井康隆「走る取的」

大江健三郎「運搬」

フラナリー・オコナー「田舎の善人」

深沢七郎「絢爛の椅子」

フョードル・ドストエフスキー「不思議な客」

白土三平「野犬」

夏目漱石「首懸の松」

アレクサンドル・ソルジェニーツィン「たき火とアリ」

(本来の目次からはなぜかロシア作家のみ、名前がけずられ、名字だけになってしまっていて、ちょっと嫌なので直したのですが)

 

私は

フョードル・ドストエフスキー「不思議な客」(『カラマーゾフの兄弟』より)と、

アレクサンドル・ソルジェニーツィン「たき火とアリ」

の二編を担当させていただきました。

 

このアンソロジーは、「トラウマ」になってしまうような作品ばかりを集めた一風変わったアンソロジーです。

 

冒頭のマンガ、直野祥子「はじめての家族旅行」で、かなりガツンとやられます。

 

 

頭木さん編の前作のアンソロジー『絶望図書館』もとてもおもしろいので、ぜひ。

 

頭木弘樹編『絶望書店――夢をあきらめた9人が出会った物語』河出書房新社

頭木弘樹さん編『絶望書店――夢をあきらめた9人が出会った物語』(河出書房新社)に、作品を推薦しました。

 

この本は一風かわったアンソロジーで、「夢のあきらめ方」をテーマにした作品ばかり集めています。

 

それぞれ推薦者がいて、世界各地のいろいろな作品がひとつのテーマのもとにあつめられています。

 

私が推薦したのは、文学作品ではなく、BUMP OF CHIKENの「才悩人応援歌」という歌です。ほかの作品はこんな感じです

 

 山田太一「断念するということ」

 

ベートーヴェン「希望よ、悲しい気持ちでおまえに別れを告げよう」頭木弘樹

 

ダーチャ・マライーニ「マクベス夫人の血塗られた両手」香川真澄訳

 

ハインリヒ・マン「打ち砕かれたバイオリン」岡上容士訳

 

ナサニエルホーソン「人生に隠された秘密の一ページ」品川亮訳

 

連城三紀彦「紅き唇」

 

豊福晋「肉屋の消えない憂鬱」

 

藤子・F・不二雄「パラレル同窓会」

 

クォン・ヨソン「アジの味」斉藤真理子訳

 

 

くわしくは、頭木さんのブログも見てみてください。

 

ameblo.jp