訳者の野中先生からご訳書をいただきました。どうもありがとうございました。
エルヴィン・ナギ『革命記念日に生まれて――子どもの目で見た日本、ソ連』野中進訳、東洋書店新社
ソ連史の、リアル。
モスクワに生まれ、日本で育ち、粛清で父を失う――時代に翻弄された人生は、しかし、典型的なソ連人のそれでもあった。スターリン体制、独ソ戦、長い長い全体主義の時代…ソ連に生きること、の手触りを直に伝える回想録。
「人民の敵」の子、外国育ち、ユダヤ人という、少数者としての著者の視点は、ソ連社会を「異化」し、その本質をあぶりだす。日本滞在時の回想も、外国人、それも子どもの目から見た当時の世相が見て取れて興味深い。解説沢田和彦。
粛清された父のKGB尋問記録(第三部「父のファイル」)も貴重。
これは非常に貴重な資料の翻訳ですね。在日ロシア人というと、
どちらかというと白系のほうの資料が多く紹介されているので、
在日ソ連人の生活がわかるという点で、色々な観点から役立てることができそうです。
野中先生、どうもありがとうございました。