巽由樹子先生からご恵投賜りました。ありがとうございます。
巽由樹子『ツァーリと大衆――近代ロシアの読書の社会学』東京大学出版会
最近読書史や文化史に興味をもっていることもあってか、たいへん面白く読みました。
革命前ロシアでインテリゲンツィアともナロードともちがう読書する「中間層」がどう生まれたのかを大量の図版も使いながら描いています。
各地につくられた図書館での利用者と図書館員の会話の記録とかが残っているのもおもしろいですし、『二―ヴァ』が自分の本を読んで地方住みなのに博識になったおじさんのすがたとかを伝えているのもわざとらしくていいですね。
このようなメディア研究は日本近代文学の分野でもさかんなので、文学研究とコラボするとなにか生まれそうです。
巽先生、どうもありがとうございました。