訳すのは「私」ブログ

書いたもの、訳したもの、いただいたものなど(ときどき記事)

頭木弘樹編『絶望図書館――立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる12の物語』ちくま文庫、宮下遼『多元性の都市イスタンブルーー近世オスマン帝都の都市空間と詩人、庶民、異邦人』大阪大学出版会、 貴志雅之編『アメリカ文学における幸福の追求とその行方』金星堂

 頭木弘樹編『絶望図書館――立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる12の物語』ちくま文庫

 

 

 

頭木さんからご恵贈いただく。カフカの名紹介者として著名な著者がはじめて編んだアンソロジー。読者に「寄り添う」という立場が鮮明で、アンソロジーづくりのひとつのあり方を突き詰めたもの。

 

宮下遼『多元性の都市イスタンブルーー近世オスマン帝都の都市空間と詩人、庶民、異邦人』大阪大学出版会

 

 

 

翻訳家としても著名な宮下さんの単著。流麗な文章で数々の詩を翻訳引用しながらイスタンブルの街の多層的な歴史が掘り起こされていく。著者の力量のスケールの大きさに圧倒される。

 

 貴志雅之編『アメリカ文学における幸福の追求とその行方』金星堂

 

 

 

後藤篤さんよりご恵投いただきました。後藤さんは「明白なる薄明――ウラジーミル・ナボコフの『プニン』におけるハッピーエンドの追求」を執筆。一連の論考とおなじ、後期の英語作品を当時のアメリカのコンテクストに戻して読んでやるタイプの論文。本書にはほかに17の論考をおさめている(目次)。

 

頭木さん、宮下さん、後藤さん、どうもありがとうございました。