訳すのは「私」ブログ

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ナボコフのアーカイヴを訪ねて⑭ ハーヴァード大学大学稀覯館・特別コレクション

アーカイヴ紀行の14回目です。

 

いよいよハーヴァード大学のアーカイヴを紹介するのですが、ナボコフ関係に絞ってもいくつかロケーションがあるため、数回にわけて記事化したいと思います。

 

まず今回はハーヴァード大学の地下にある大学稀覯館University archiveから。ここはピュゼー図書館内にあります。ピュゼー図書館は地下にあり、ラモント図書館の地下からアクセスするのが便利です。

 

Welcome! | Harvard University Archives | Harvard Library

 

ここには大学関係の資料が収蔵されています。シラバスや、卒業生・修了生の名簿、成績、大学関係の手紙などなどといったものですね。会議の議事録など、一部の資料は80年たたないと公開されませんが……。

 

たとえば、ナボコフだと1952年にハリー・レヴィンとミハイル・カルポヴィチの依頼を受けてのことです。

 

yakusunohawatashi.hatenablog.com

そのときの講義内容はここに収蔵されているHaravrad University CatalogueやCourses of Instruction、シラバスなどからある程度知ることができます。

 

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たとえば上記の資料によれば、ナボコフがうけもった52年のHumanities Iの春学期のコースは、総登録者数470名だったことがわかります。うちわけは1年生191、2年生182、3年生10、4年生4、ラドクリフ大学(女子)83名でした。470名は多いですね。

 

同じくModern Russian Literatureの春学期は、総登録者数44名。うちわけは1年生1、2年生3、3年生10、4年生9、特別学生1、大学院生5、ラドクリフ大学(女子)15名。

 

Pushikin and HIs Timeの春学期(半期コース)は、総登録者数12名。うちわけは2年生1、3年生2、4年生2、大学院生4、ラドクリフ大学(女子)3名。

 

ほかにも、ナボコフケンブリッジを去った後にハーヴァードの比較動物学博物館に着任した動物学者エルンスト・マイヤーナボコフにあてた手紙のうつし三通(1968-1974)とヴェラからのその返事など読むことができます。マイヤーはナボコフに比較動物学博物館を再訪してほしかったようですが、残念ながらその希望はかなえられなかったようです。

 

資料の充実度 ★★

使いやすさ  ★★

奥底度 ★★★★★