山根先生が、ご著書を恵投くださいました。どうもありがとうございます。
山根由美恵『村上春樹 〈物語〉の行方—サバルタン・イグザイル・トラウマ』ひつじ書房
村上春樹についての論文数世界一の記録をもたれる山根先生の二冊目のモノグラフです。
ご恵投、どうもありがとうございました。
目次
第一部 「イグザイル」(故郷離脱)期の文学−一九八八〜一九九六第一章 停滞と復活−「イグザイル」の彷徨い
第一節 「イグザイル」の彷徨い――「ダンス・ダンス・ダンス」
第二節 作家としての復活――「TVピープル」
第二章 「拒む女」たち――「サバルタン」への眼差し1
第一節 「拒む女」の闇――「我らの時代のフォークロアーー高度資本主義前史――」
第二節 <拒み><破壊する>女・イズミーー「国境の南、太陽の西」
第三章 マトロフォビア・トラウマからの回復−「サバルタン」への眼差し2
第一節 妻の<自立>は阻む「母」――「レーダーホーゼン」「眠り」
第二節 久美子:マトロフォビアを超えて――「ねじまき鳥クロニクル」1
第三節 ナツメグ・シナモン:「二次トラウマ化」「世代横断的トラウマ」からの回復――「ねじまき鳥クロニクル」2
第四章 短編「集」という〈物語〉――『レキシントンの幽霊』と「喪の仕事」
第一節 「曖昧さ」という方法――「レキシントンの幽霊」
補 本心を知ってしまう悲劇――「緑色の獣」
第二節 短編集の最低部――「沈黙」
第三節 絶対的孤独の物語――「トニー滝谷」「氷男」
第四節 「孤独からの回復」の課程――「七番目の男」「めくらやなぎと、眠る女」
第二部 Haruki Murakami形成期の〈物語〉−一九九七〜二〇一九
第一章 〈地下鉄サリン事件〉というモチーフの可能性−「サバルタン」への眼差し3
第一節 辺見庸「ゆで卵」――「遭遇者」から見る「サリン事件」
第二節 村上春樹「アンダーグラウンド」――<サリン被害者>の発見と喪の仕事
第三節 重松清「さつき断章」――間接的<サリン被害者>の物語
第四節 馳星周「9・11倶楽部」――「第三次被害者化」(家族)の問題
第五節 川上弘美「水声」――<サリン被害者>というモチーフの可能性
第二章 〈物語〉の行方−Haruki Murakamiの光と影と光
第一節 生き直される「サバイバー」の生――「海辺のカフカ」
第二節 オウム脱構築の可能性/教祖像と<家族>の復権――「1Q84」
第三節 <メタ・テクスト性>と「震災後文学」――「騎士団長殺し」
第四節 舞台が原作を凌駕するとき――舞台「海辺のカフカ」における「戦争」表象
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